“相撲界のドン・キホーテ”を気取った貴乃花親方の誤算:赤坂8丁目発 スポーツ246(4/5 ページ)
貴乃花親方の没落ぶりが哀れである。元横綱日馬富士の暴行事件が発覚した当初は間違いなく世間のヒーローだったのに、いまは地位や名誉を失い、年収も大幅に減少する。なぜこのような事態に陥ったのかというと……。
貴乃花親方の異常ともいえる行動
恥ずかしながら筆者も当初、貴乃花親方には日本相撲協会の改革を目指す志が感じられ、きっとこの先には八角理事長らと丁々発止になりながらも膝とひざを突き合わせて自分こそが正しいと主張し、熱い激論を交わすに違いないと淡い期待も抱いていた。ところが、それも見事に裏切られてしまった。まずボロを出したのは、春場所で引き起こした出勤拒否騒動だ。
相撲協会の役員として出勤場所であるはずのエディオンアリーナ大阪に貴乃花親方は初日から4日連続で無断欠勤。ようやく出勤した5日目以降も役員室に滞在したのは数秒から数分と、明らかに相撲協会の面々を侮辱したかのような態度を取って周囲をあきれ返らせた。次に挙げるのは、貴乃花親方の異常ともいえる行動について日本相撲協会内部から出ていた声だ。
「貴乃花親方はコミュニケーション能力が著しく欠けていると言わざるを得ない。冷静に考えてみてほしい。相撲協会の現体制に反旗を翻すといっても、執行部の面々としっかり顔を合わせて自分の主張や意見を唱えたことなどほとんどない。
昨年の日馬富士の暴力事件のときだって協会の執行部と顔を会わせればふんぞり返っていただけでしょう。そうかと思えば2月に無許可でテレビ朝日のインタビュー番組(2月7日放送の2時間番組『独占緊急特報!!貴乃花親方すべてを語る』)に協会の許可なく無断で出演し“自分の声”を世間に発している。
正直に言って、あの番組の内容に関してはたいしたことはなかったが、要はヒーローを気取って目立ちたいだけ。本当に改革する気があるならば、無断欠勤などという愚行は絶対にしない」
しかもこの直後、春場所8日目に今度は逆に貴乃花部屋の十両・貴公俊が付け人を取組後の支度部屋で数発殴打して流血させる騒動が発生。付け人の連絡ミスで取組前に土俵下へ入場するのが遅れたことに腹を立てたことが原因だった。
これでは、まさに本末転倒。あまりにバツが悪い貴乃花親方は臨時役員会合の呼び出しにあっさりと応じ、その場で場所中の無断欠勤や職務怠慢ぶりについて他の親方から叱責を受けると何度も平謝りしていたという。かっこ悪すぎて、あきれてものも言えない。
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