卓球王者の張本が、いまひとつ支持を得られない要因:赤坂8丁目発 スポーツ246(1/3 ページ)
全日本卓球選手権の男子シングルス決勝で、14歳の張本智和が王者・水谷隼を破って優勝した。最年少優勝の偉業を達成したのに、いまのところ“張本フィーバー”は起きていない。なぜ新王者がいまひとつ支持されないかというと……。
なぜ彼に対しては賞賛の嵐とならないのだろうか。
今年の全日本卓球選手権・男子シングルス決勝で水谷隼を破り、14歳で最年少優勝の偉業を達成した中学生王者・張本智和のことだ。相手は2016年のリオデジャネイロ五輪で日本人初のシングルメダリストとなり、全日本選手権にも史上最多で9回の優勝を飾っている日本男子卓球界の第一人者。自分よりもちょうど倍の年齢の大先輩に圧倒的な強さを見せつけ、栄冠をつかんだのだから世の中は張本フィーバーが起こってもいいはずだ。
ところが、ひいき目に見ても張本人気はそこまで上がっている傾向は見られない。筆者も全日本選手権決勝の場にいたが、観客から水谷の一挙一動に大声援が送られる一方で、張本がポイントを奪っても会場全体の大きな盛り上がりは感じられなかった。
ちなみに25日、公式戦29連勝の新記録を樹立した将棋の最年少プロ・藤井聡太四段が第66期王座戦1次予選ブロック決勝で村田智弘六段を破り、2次予選進出を決めた。熱狂的とも言える世の藤井フィーバーはご存じの通りだろう。藤井四段は15歳で張本とわずか1歳の違いだ。2人とも偉業を達成してほぼ同世代であるにもかかわらず、この差は一体何なのだろうかと思わずにはいられない。
張本がいまひとつ支持を得られない要因として挙げられるのは、やはり「チョレイ」だろう。ポイントを奪った際に絶叫する“トレードマーク”として、いまやすっかり定着している。個人的には「チョレイ!」と叫ぶ彼がスポットライトを浴び始めた当初「随分とインパクトがある若い選手が出てきたなあ」と興味本位で見ていた。しかし張本が台頭して来たころにネットを見ると、意外なことにバッシングの嵐が吹き荒れていることに気付かされる。「掛け声がうるさい」「見ていてイラっとくる」「チョレイ、うざい」などと随分な言われようでディスられている書き込みばかりが目立つ。
先日、それを象徴する出来事もあった。
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