卓球王者の張本が、いまひとつ支持を得られない要因:赤坂8丁目発 スポーツ246(2/3 ページ)
全日本卓球選手権の男子シングルス決勝で、14歳の張本智和が王者・水谷隼を破って優勝した。最年少優勝の偉業を達成したのに、いまのところ“張本フィーバー”は起きていない。なぜ新王者がいまひとつ支持されないかというと……。
張本氏の“口撃”が称賛される
1月21日に放映された『サンデーモーニング』(TBS)の「週間御意見番」でお馴染みの野球評論家・張本勲氏が、この14歳の天才卓球少年に苦言を呈したのである。
番組で張本が全日本選手権の準々決勝で4強入りを決めた際に、両ひざをつきながらエビ反りし「ドゥオオオ〜ッ!」と絶叫する「ハリバウアー」のシーンを放送。これに張本氏が苦笑いしながら「子どもだからね。ワァーワァー騒いでもいいけど、成人だったら『喝』やるんだけどね」と口にし、さらに「ああいう子は気が小さいんですよ。感情を抑えきれない。ワァーッと出しちゃう。本当に根性のある人はああいう態度は取らない。男は」と持論を展開した。
これまで張本氏が同番組で発言するたびにネット上は炎上していたが、今回ばかりは「珍しく正論を言っている」「その通りで絶叫するのは気が小さい証拠」などと同調する書き込みが数多く散見された。しかしながら日本王者になった張本が「気が小さい」とは思えない。彼は気持ちを鼓舞させるために絶叫していると聞く。
加えて言えば「大声で叫ぶ」「相手を威嚇(いかく)する」「観客に不快感を与える」などの行為は卓球のルール上で禁止行為とされているが、これまでの大会で張本が「チョレイ」や「ハリバウアー」で審判から注意を受けたことは1度もない。今のところ、ルールに抵触しているわけではないのだ。
複数のメディアでも報じられている通り、日本卓球協会も張本の行為自体に問題はなく、他にも自分を鼓舞するための声出しをやっている選手はいるとの見解を示している。
ただし、すでにトップクラスの張本がこれからシニアの舞台でどんどん場数を踏み、世界の強豪としてその名を今以上に轟(とどろ)かせるようになれば、何とかして足を引っ張りたい対戦相手側からトレードマークの絶叫に何らかの形でクレームが入れられるようになるかもしれない。とはいえ、これはあくまでも仮定の話だから本人的にはそこまでナーバスになる必要もないだろう。
それに張本は毎回必ず絶叫しているわけではない。いまだに出場しているジュニアの大会などではトレードマークの「チョレイ」や「ハリバウアー」を封印して試合に臨むときもあるので、“普通”に戦っても彼は強いのである。派手なパフォーマンスをするのは、大事な試合のときだけなのだ。
関連記事
- 大人たちによって作り上げられた“ポスト真央”、本田真凛の悲劇
オトナたちによって作り上げられた「悲劇のスター候補」だったのかもしれない。女子フィギュアスケートの本田真凛のことだ。期待されていた韓国・平昌五輪の代表入りを逃してしまったことで、今後の彼女はどうなる? - モスバーガーが「創業以来の絶不調」である、もうひとつの理由
業界第2位のモスバーガーが苦戦している。「創業以来2度目の絶不調」とも言われ、あれが悪い、これが悪いとさまざまな敗因が取り沙汰されている。どれも納得のいく話であるが、筆者の窪田氏はちょっと違う見方をしている。それは……。 - なぜ地図で「浅草寺」を真ん中にしてはいけないのか
地図を作成している編集者に、2枚の地図を見せてもらった。1枚は浅草寺が真ん中に位置していて、もう1枚は浅草寺が北のほうにある。さて、実際に地図に掲載されているのは、どちらなのか。答えを聞いたところ、予想外の結果に!? - 「着物業界」が衰退したのはなぜか? 「伝統と書いてボッタクリと読む」世界
訪日観光客の間で「着物」がブームとなっている。売り上げが低迷している着物業界にとっては千載一遇かもしれないが、浮かれていられない「不都合な真実」があるのではないだろうか。それは……。 - 「石原さとみの眉が細くなったら日本は危ない」は本当か
女優・石原さとみさんの眉がどんどん細くなっている。彼女のファンからは「そんなのどーでもいいことでしょ」といった声が飛んできそうだが、筆者の窪田さんは「日本経済にとって深刻な事態」という。なぜなら……。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.