巨人の上原は、なぜ叩かれ始めているのか:赤坂8丁目発 スポーツ246(3/4 ページ)
巨人の上原浩治投手が岐路に立たされている。10年ぶりに古巣の巨人に復帰したところ、まずまずの結果を残したものの、その後はボロボロである。筆者の臼北氏は「上原に待っているのは天国か地獄である」と指摘する。どういう意味かというと……。
天国か地獄かが待ち受けていた
そういう微妙な空気の中で上原は復活を図らねばならないのだ。しかしながら元はと言えば、レジェンド右腕には古巣復帰を決めた時点から好不調によって天国か地獄かのどちらかに転がる両極端の運命が待ち受けていたと言える。その最大の理由は先にも挙げたように前言を翻したからだ。
もともと上原は昨オフ、メジャーリーグでのプレーを希望し、条件もメジャー契約しか受け入れず見合うオファーがなければプロ選手生活にピリオドを打つと前もって宣言していた。ところが昨オフはさまざまな要因が絡み合って史上空前の買い手市場となってしまい、主力選手たちの契約も軒並み決まらず上原もその影響をモロに受ける格好となった。
今年2月末になってもメジャーから色よいオファーはまったく得られず、上原は一部スポーツ紙の一面で「やっぱり野球がやりたい」と訴え、日本球界復帰を急きょ決断。「メジャー以外は引退」と言い切っていたにもかかわらず、ガラリと態度を変えた。
2008年に海外FA権を行使した際、水面下で諸々のイザコザがあったとされる巨人への復帰が「過去の恩讐(おんしゅう)」を乗り越える形で決まり、ファンも大いに喜んだ。その中には古巣復帰を果たした上原と、あの黒田博樹氏の姿をダブらせている人も数多くいる。
だが、かつて同じようにメジャーリーグから古巣の広島東洋カープへ電撃復帰した黒田氏と上原はまるで立場が違う。黒田氏は15年オフ、ニューヨーク・ヤンキースからFAとなり、古巣のロサンゼルス・ドジャースやサンディエゴ・パドレスから高額オファーを受けるも、それを断ってまで広島へ帰る決意を固めていた。複数の米メディアにはパドレスからの提示額は年俸1800万ドルだったとも報じられ、あらためて黒田氏の「男気」が大きく賞賛される格好となった。
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