AI採用っていいじゃないか いや、弱点もある:常見陽平のサラリーマン研究所(4/4 ページ)
AI(人工知能)選考を導入する企業が増えてきた。AIが「書類選考」と「面接」をやってくれるので、いいことばかりじゃないかと思われた人も多いかもしれないが、弱点もある。それは……。
AI採用を導入する企業が増えている背景
採用は「選考」や「判断」が全てではない。業界や企業、業務内容に関して理解を深めてもらう場でもある。特に面接においては、人を通じて組織風土を感じてもらうことも大事なポイントだ。さらに、面接は口説く場でもある。「ウチにきたら、君は活躍できるぞ」など劇的に口説くことはまだまだAIにはできない。もちろん、未来は分からない。
じゃあ、なぜAI採用を導入する企業が増えているのかというと、現在は売り手市場であり少しでも間口を広げるためでもある。また、新しいことに取り組んでいるというPR効果も期待できる。さらに、人材確保に積極的であるという姿勢を株主に打ち出すこともできる。以前は、人員の増加は株主から批判されることもあったが、現在では人材を獲得できるかどうかが経営リスクになり得る時代だからだ。
AIは自分たちの仕事のあり方など、さまざまなことを問いかけてくる。
常見陽平のプロフィール:
1974年生まれ。身長175センチ、体重85キロ。札幌市出身。一橋大学商学部卒。同大学大学院社会学研究科修士課程修了。
リクルート、玩具メーカー、コンサルティング会社、フリーランス活動を経て2015年4月より千葉商科大学国際教養学部専任講師。長時間の残業、休日出勤、接待、宴会芸、異動、出向、転勤、過労・メンヘルなど真性「社畜」経験の持ち主。「働き方」をテーマに執筆、研究に没頭中。著書に『なぜ、残業はなくならないのか』(祥伝社)『僕たちはガンダムのジムである』『エヴァンゲリオン化する社会』(ともに日本経済新聞出版社)『「就活」と日本社会』(NHK出版)『「意識高い系」という病』(ベストセラーズ)『普通に働け』(イースト・プレス)など。
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