山口達也さんの事件で、見落としている「少年の心をもったおじさん」問題:スピン経済の歩き方(1/5 ページ)
TOKIOの山口達也さんが、ジャニーズ事務所から契約を解除された。メディアで散々報じられてきたので、食傷気味の人も多いかもしれないが、筆者の窪田氏は「今後の日本社会のあり方を考えるうえで、かなり重要な問題提起となっている」という。どういうことかというと……。
謝罪会見での「席があるなら戻りたい」発言で、TOKIOの仲間たちからあきれられてしまった、山口達也さんがジャニーズ事務所から契約解除された。これ以上、メンバーのみなさんにダメージを与えなくない、ということでご本人が「退所」を強く求めたからだという。
芸能人の不祥事ネタなんかどうでもいいとシラけている方も多いかもしれないが、実はこの騒動、今後の日本社会のあり方を考えるうえで、かなり重要な問題提起となっている。
それは一言で言ってしまうと、「組織内の“少年の心をもったおじさん”の暴走をどう制御していくか」問題である。
「なにワケのわかんないこと言ってんだ、こいつは」とあれきる前にご自分の会社や、職場を振り返っていただきたい。
50歳を過ぎてるとは思えぬほど、子どもじみたパワハラを繰り返す上司、酒を飲むと性に目覚めた中学生みたいなノリで下ネタで盛り上がるおじさん、満員電車で強く押されたと「殺すぞ、てめえ」とイキってみせる中年サラリーマン。飲食店などで、息子や娘くらい歳の離れた若者に激しいクレームを入れるオヤジなど、「大人」と呼ぶにはかなり抵抗のある「子どもみたいなおじさん」が増えている気がしないか。
そんなの気のせいだとムキになるおじさん世代もいるだろうが、残念ながら気のせいではない。さまざまなデータが、外見は年相応の中年男性ながらも、その内面は思春期のような不安定なマインドをもつおじさん、つまり「少年の心をもったおじさん」が増えていることを雄弁に語っているのだ。
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