体験教室に20万人! 「泥だんご」が静かなブーム:関連グッズも人気(2/2 ページ)
公園の砂場で泥だんごをつくった経験のある人は少なくないだろう。今、泥だんごの関連グッズや体験イベントの人気が高まってきている。その背景には何があるのだろうか?
泥だんごブーム到来?
06年にオープンしたINAXライブミュージアム(愛知県常滑市)では、泥だんごづくりの体験教室が人気だ。泥だんご1個当たり800円(税込)を支払えば、親子で気軽に楽しめる。やきもの用の粘土と道具を使ってつくる「光どろだんごづくり」体験教室の利用者は累計で20万人を超える。担当者は「陶器の原料となる土に触れてもらいたいとの思いで開催している。砂場や園庭でつくる泥だんごとまったく違う出来栄えとなるのが支持されている」と説明する。
INAXライブミュージアムでは「光るどろだんご全国大会」も開催している。全国各地で開催される地方大会で1位になった代表者をINAXライブミュージアムに招待して行われるが、10回目となる08年大会の参加者は過去最高の1000人を超えたという。専用Webサイトには過去の優秀賞作品である「きょうりゅうのたまごの化石」や「海中の神秘」といった力作が並ぶ。
泥だんごづくりを通して親子で楽しむ時間が生まれるだけでなく、子どもの集中力を高める効果もありそうだ。
背景に砂場で遊ばせることへの抵抗感?
ネット上には「砂場は不衛生」「砂場で遊ぶと子どもの服が汚れる」といった投稿が散見される。砂場で子どもを遊ばせることに抵抗感を覚える保護者が一定数いるようだ。
横浜市港北区にある公園を管理する港北土木事務所によると、毎年、横浜市内の数十カ所の公園で砂場の衛生検査を実施しているという。「砂場で遊んだ後に手を洗えば大丈夫」(担当者)とのことで衛生的な問題があるわけではなさそうだが、「公園の砂場で遊ばせる代わりにしよう」といった理由で泥だんご制作キットを買い与える保護者もいるだろう。
このようにみていくと「泥だんご」には子どもだけでなく、親の心もくすぐる要素がいくつもある。泥だんごの体験イベントや関連グッズは今後も増えるかもしれない。
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