大正製薬、40歳以上の早期退職者募集 「持続的成長」が狙い:退職金を増額、転職支援も
大正製薬が早期退職者を募集すると発表。対象は勤続10年以上かつ40歳以上の従業員約3000人。退職希望者の再就職支援も行う。理由は「持続的な成長を図るため」という。
大正製薬ホールディングス(HD)は5月14日、一部を除くグループ企業から早期退職者を募集すると発表した。対象は勤続10年以上かつ40歳以上の従業員約3000人で、部長級以上の役職者は対象外。7月1日〜8月10日にかけて退職希望者を募集し、9月末〜12月末にかけて順次退職となる予定。
退職希望者には、通常の退職金に役職・勤続年数に応じた金額を上乗せして支給する。外部のキャリアコンサルタントを雇用し、退職希望者の再就職支援も行う。応募者数と退職金総額の予想値は非公開。
同日発表した2018年3月期の連結決算は、売上高が2801億円(0.1%増)、営業利益が370億円(15.7%増)、最終利益が317億円(10.1%増)と増収増益だった。
だが同社は「今の段階から持続的な成長を図るため、早期退職者の募集に踏み切った」(コーポレートコミュニケーション部)と狙いを説明する。
退職金の増額分と再就職支援費用は、19年3月期に特別損失として計上する予定。同社は「この施策を機に、新たなキャリアに踏み出したい人材を応援したい。ただ、8月以降も退職金の募集を行うかは未定」(同)としている。
19年3月期の通期業績は、売上高が2690億円(4.8%減)、営業利益が330億円(10.8%減)、最終利益が555億円(75.2%増)を見込む。「ゾシン」「クラリス」といった医療用医薬品の減収が予測される一方、関連会社の富山化学工業の全株式を富士フイルムホールディングスに売却するため。
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