良いことばかりではない リモートワークの“実態”:働き方改革の第一歩(3/4 ページ)
働き方改革の柱として注目されている「リモートワーク」。制度として導入する企業も増えており、政府も躍起になって推進している。ただし一方で、リモートワークを導入したことで見えてきた課題もあるという。
上述のHDEでは、「こうした制度改革は上からやることが大事」と、まずマネジャーからリモートワーク制度を導入し、マネジャーが会社に来ないで仕事をする日を週1日作って見本を示し、チームの仕事スタイルを変革したという。部門やチームによって運営ルールは異なるので、強制的な仕組みを作らずに、導入したチームの事例を共有するにとどめ、ゆるやかに導入する理想的な改革であると言える。
通常の働き方とリモートワークの違いを分解していくと、「コミュニケーションの取り方」の違いということにたどり着く。
チャットやメールでも、顔を合わせて行うのと同等以上のコミュニケーションは十分可能である。管理する側、される側の不安を払拭するために、普通の会社が同じ時間に出勤するように、同じ時間にチャットを開いて仕事を開始することでリモートワークでも出勤時と同じ環境を作ることは可能だ。しかし、それ以前に、「社員にどういう働き方をして、どういう成果を出してほしいのか」ということを十分に議論することが必要だろう。
一方で、チャットやビデオ会議では互いの考えていることが伝わらなかったり、「会ったときに話そう」と話を延ばしてしまうことで決断が遅れるなど、生産性が低下したために、一度導入したリモートワーク制度を廃止したり、限定的なものにとどめている企業もあるという。
また、リモートで働く社員ができない作業負担が、オフィス側の社員に一方的にのしかかってきてしまうという問題も指摘されている。
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