なぜアイス業界に「チョコミント」ブームが来ているのか: 各社に聞く「チョコミント観」(2/2 ページ)
アイス業界に「チョコミント」ブームが到来している。「ガリガリ君」や「チェリオ」など、各社が夏に向けて続々とチョコミントフレーバーの新商品を登場させている。赤城乳業、森永乳業、B-R サーティワン アイスクリームに「チョコミント観」を聞いた。
チョコミントの“開祖”はブームをどう見る?
そもそも、チョコミントアイスはいつから日本にやってきたのか。「おやつストーリー」(講談社)によると、初めて日本でチョコミントフレーバーが登場したのは1974年。サーティワンアイスクリームが「チョコレートミント」の名称で発売した。以降、サーティワンではレギュラーフレーバーとして年間を通して販売している。
B-R サーティワン アイスクリームの広報担当者は「74年の発売当時は、お客さまがミントという言葉や味の認知がなかったため、『スーッとする薄荷(ハッカ)の味』(おとなの味)という表現をしておりました。よく比喩に用いられたのが、『歯磨き粉の味』。当社が日本のチョコミント市場をけん引してきた自負がございます」と話す。
サーティワンでは常時32種類のフレーバーを販売しているが、フレーバーランキングではチョコミントはトップ10の常連。「好き嫌いが分かれるフレーバーにもかかわらず、根強いファンが多い」のだという。ここ数年は常に6位だったが、17年は5位にランクアップした。
ちなみに、サーティワンでも先ほど紹介した「マツコ」効果は大きかった。放送月の17年8月は、販売数が前月と比べて約13万5000個増(レギュラーコーン換算)。フレーバー別の月間販売数は2位まで伸びた。
「現在、サーティワンではミントとホワイトチョコのフレーバー『ポッピングシャワー』が圧倒的な人気で1位。お客さまの間でも、ミントの嗜好と認識が大きく変わっているのを実感しています。ミントは夏に一番売れるフレーバーです。当社の最盛期とも重なり、ミント市場全体が今後さらに大きくなることを歓迎しています」(サーティワン)
チョコミントブームは、アイスだけではなく飲料や菓子にも広がっている。初夏から真夏にかけて市場を盛り上げる定番フレーバーになるだろうか。
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