大阪の人はチョコミントが嫌い? 自販機アイスの謎が溶けてきた:仕事をしたら“アイス”ができた(4)(1/4 ページ)
「セブンティーンアイス」をご存じだろうか。ショッピングセンターや公園などで設置されている自販機アイスのことだが、商品を扱っている江崎グリコに聞いたところ、大阪では「チョコミント」が苦戦しているという。なぜ……?
セブンティーンアイス:
いきなりだが、「セブンティーンアイス」をご存じだろうか。「ん? サーティワンではなくて?」と思うかもしれないが、ショッピングセンターや公園などで設置されている自販機アイスのことだ。
自販機で販売されている「セブンティーンアイス」――実は歴史が長く、2015年に三十路を迎える。自販機は現在も全国各地に設置数を増やしていて、その数は2万台に迫る勢いだ。また、2013年度の売り上げをみると、過去2番目。販売している江崎グリコに聞いたところ「今年度(2014年度)は過去最高の売り上げにしますよ」と鼻息が荒い。
セブンティーンアイスといえば、コーンタイプやスティックタイプなどがあるが、なぜ30年以上も売れ続けているのか。ロングセラーの秘密を、同社マーケティング部の亀井正恵さんに話をうかがった。聞き手は、Business Media 誠編集部の土肥義則。
コーンタイプの「バニラ」と「ショコラ」がよく売れている
土肥: 前回はセブンティーンアイスの歴史、自販機が増え続けている理由などをお聞きました。お客に「おっ、ちょっと買ってみるか」と思わせるために、とにかく「見直し、見直し」をされてきた。興味を引くために、新しいフレーバーをどんどん出されていて、その数は200を超えたそうですね。その中で最も売れているのはどれでしょうか?
亀井: コーンタイプの「バニラ」と「ショコラ」がよく売れていますね。
土肥: ワタシの知り合いで「バニラ」と聞くだけで、文句を言う人がいるんですよ。「なんで『バニラ』なんか食べるの? 『バニラ』なんていつでも食べれるでしょう? せっかくお金を出して食べるんだから、オレは『バニラ』以外を食べる」と。お金を出すのはいつものことなので、そんなことを言っていたら一生「バニラを食べることができない」と思うのですが……ま、ここではそんな話はどーでもよくて、なぜバニラの人気が高いのでしょうか。
亀井: ぜひ、その人にセブンティーンアイスの「バニラ」を食べていただきたいですね。なぜかというと、普通のバニラと違ってフレーバーにメイプルをきかせているので、ひと口食べると「あれ? これまで食べたアイスと違う」と感じていただけるはず。
土肥: ほー。そんな工夫がされているんですね。実は、ワタクシもあまりバニラを食べないもんで……(汗)。
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