アラフォーの「pino(ピノ)」が、いまも現役でがんばっている理由:仕事をしたら“アイス”ができた(1)(1/6 ページ)
アイスが食べたくなったので、コンビニの冷蔵ケースの中をのぞいてみると、定番商品ばかり。アイス市場は新商品が生まれにくいものなのか。そんな疑問が浮かんできたので、ロングセラーを続けている「pino」(森永乳業)の担当者に話を聞いた。
夏が近づいてきたので「アイスクリームを食べたいなあ」と感じている人も多いのでは。日本アイスクリーム協会の調べによると、アイスの販売量は年々増加しており、10年前に比べると市場規模は25%も増加している。
なぜアイス市場は伸びているのか。その要因として、「食のシーン」の広がりを挙げる声が多い。以前は、スーパーで購入したモノを自宅で食べる、レストランでデザートとして食べる、など限定されていた。しかし、今は1年を通してコンビニやスーパーで購入できるほか、オフィスでもアイスを楽しむ環境が広がってきている。
また「アイス」といえば、子供や若い女性が食べる……といった印象が強かったが、最近では男性も楽しむのが当たり前になってきた。このように、さまざまなシーンで、さまざまな人がアイスを食べる環境が整ってきたことで、アイス市場は拡大してきた。
このように書けば、「アイス=絶好調」と受け取られそうだが、実は違う。アイス市場は1994年にピークを迎えるが、その後は“冷たーい”時代が続いたのだ。「新商品を出しても売れない」「夏が暑くならなかった」「他のスイーツ商品が売れた」といった要因が重なって、10年ほどで市場は1000億円ほど縮小した。
そんな時代を耐え忍び、今も売れ続けている商品がある。いや、コンビニに行って、冷蔵ケースの中を見ていただきたい。いわゆる“定番商品”がズラリと並んでいる。つまり、冷たーい時代にも、暖かーい時代にも、消費者はいつも同じモノを食べ続けてきたのだ。
各社は毎年のように新商品を販売するが、なぜ定番が愛され続けてきたのか。その謎を解くために、3つの商品にスポットを当てた。1つめは、今年39歳の森永乳業「pino(ピノ)」だ。同社でマーケティングを担当している木下孝史さんに話をうかがった。聞き手は、Business Media 誠編集部の土肥義則。
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