アラフォーの「pino(ピノ)」が、いまも現役でがんばっている理由:仕事をしたら“アイス”ができた(1)(2/6 ページ)
アイスが食べたくなったので、コンビニの冷蔵ケースの中をのぞいてみると、定番商品ばかり。アイス市場は新商品が生まれにくいものなのか。そんな疑問が浮かんできたので、ロングセラーを続けている「pino」(森永乳業)の担当者に話を聞いた。
赤道を一周
土肥: ピノが発売されたのは1976年。この年にどんなことがあったのかを調べたところ、黒柳徹子さん司会の『徹子の部屋』がスタート。アントニオ猪木VS. モハメド・アリの異種格闘技戦があったほか、米国ではアップル(当時:アップルコンピュータ)が設立されました。
ピノは発売が開始されてから、今年で39年目。いわゆる“ロングセラー商品”になるわけですが、現在はどのくらい売れているのでしょうか?
木下: だいたい赤道を一周するくらいですね。
土肥: 赤道一周? つか、なんですか、それ。
木下: ピノの横幅は3.5センチ。年間に約11億粒売れているので……ピノを横に並べると、3万8500キロの長さになるんですよ。赤道の長さは4万キロなので、ほぼ同じ長さ。
土肥: 冒頭から飛ばしてくれましたねえ(笑)。ということは、これまで39年間も売り続けているので、赤道を何度もグルグル回っていますよね。ちなみに、合計何周ですか?
木下: す、すいません。そこまで調べていませんでした……。
土肥: フフ……。スルドイ質問をしたところで、まずはピノがどういったきっかけで開発されたのか。そのへんあたりから聞かせてください。
木下: 1970年代前半まで、アイスといえば「カップ入り」か「棒が付いた」モノしかありませんでした。なんとか新しいアイスの食べ方を提供することができないか……という思いから、当時アイスの技術が進んでいた米国を視察したんですよ。
そこで「ひと口サイズのアイス」を目にしました。これまで日本にはなかったタイプのモノだったのですが、「手軽に食べるアイスもいいのでは?」ということで、商品開発に着手することに。米国にあった技術を取り入れながら、設備をイチから造りました。
土肥: それはどういった設備なんですか?
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