増殖続ける「俺の株式会社」が食パンに注目した理由:高い集客力(1/2 ページ)
「俺のイタリアン」や「俺のフレンチ」などで成長を続けてきた「俺の株式会社」が食パンを強化している。食パンの持つ潜在力に注目したからだというが、その理由とは?
2011年に「俺のイタリアン」(新橋本店)を開業し、その独特のビジネスモデルから大きな注目を浴びた「俺の株式会社」。コンセプトは「顧客を1日3回転以上させることで繁盛店の利益を実現すること」であり、原価率が60%を超える料理を高級店より安い価格で提供することで成長を続けてきた。
新業態店として「俺のフレンチ」「俺のスパニッシュ」「俺のやきとり」「俺の焼肉」「おでん 俺のだし」などを次々と展開し、気が付けば店舗数は約35店、従業員数は約1000人にまで増加した。店舗の8割は都内にあり、銀座に17店舗あるというのも大きな特徴だ。
そんな同社が次に目を付けたのが食パンだった。「俺のBakery&Cafe 恵比寿」を16年にオープンしたのを皮切りに、銀座と新宿に次々と出店。18年6月には京橋に4号店をオープンする。さらに、「今後も新規出店を進めていく予定であり、当社の他の業態より出店ペースは早い」(広報担当者)とのことで、特に力を入れている業態だということが分かる。
しかし、主に「外食」の分野で成長してきた同社はなぜ食パンに注目したのだろうか。
人気の「俺の生食パン」をリブランディング
俺の株式会社は5月29日、俺のBakery&Cafeで1日2000本以上の売り上げを誇る「俺の生食パン」をリブランディングすると発表した。
新ブランドは「銀座の食パン」。パンの原料や製法が変わるわけではないが、ロゴマークやネーミングを変えることでさらなる成長を狙う。「銀座」というネーミングにこだわったのは、銀座が国内屈指の流行の発信地であり、“銀座で長く続くお店”が一流の飲食店の証になっているからだという。
銀座の食パンシリーズには「銀座の食パン 〜香〜」(1000円、税込、以下同)と「銀座の食パン 〜夢〜」(900円)がある。パンの開発に有名シェフを起用し、こだわりの国産小麦と牛乳を使用しており、同社は「最高品質にこだわり抜いた究極の食パンです」とアピールする。
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