日大アメフト問題に学ぶ、不祥事を炎上させない対応策:不祥事対策は、ディズニー映画に学べ(1/5 ページ)
日大のアメフト問題が大炎上している。財務省も加計学園も不祥事隠ぺいで注目されているが、問題が発覚したときどのように対応すればいいのか。ディズニー映画『モンスターズ・ユニバーシティ』から学べることがあって……。
関西学院大のアメリカンフットボールチームのクォーターバックが、日本大との試合で反則行為により負傷した問題に絡み、日大側の対応が世間の非難の的となっている。これはアメフト部の問題に限らず、日大全体のガバナンスが問われる問題だが、有名だった日大も、とんでもない意味でさらに有名になってしまった。
最近、財務省にしても加計問題にしても、不祥事隠ぺいが大炎上しているが、これほど不祥事マネジメントが下手な人たちの共通点は、組織内の誰かを守るために、組織全体をおとしめ、社会からレッドカードをくらってしまうことである。
組織不祥事への対応を学ぶ上で好対照なのは、米国の大企業だ。
たとえ自社に言い分があろうとも、その反応はスピードと規模ともに圧倒的である。スターバックスで注文をせずに何時間も居座った客への対応を巡り炎上した同社が、巨額の寄付と全社員への研修を迅速に発表したのは記憶に新しい。
これに対し、なぜか日本の多くの組織は、つねに「記憶にございません」と逃げを打つ。企業不祥事でもそうだが、何か問題が生じたときに、もっとも重要なのは初期の対応である。ここを誤ると、問題は延焼し、騒ぎは拡大してしまう。
では、このような“不祥事マネジメントの基本”を学ぶ上で、我々はどのように対応すべきだろうか。実はその格好の教材を、あの世界最大のメディアエンターテインメント企業、ウォルト・ディズニー社が提供してくれる。
以下では、ビジネス戦略や人材開発などの理論をディズニーキャラクターおよびディズニーストーリーに紐づけて紹介している『最強のディズニーレッスン―世界中のグローバルエリートがディズニーで学んだ50箇条の魔法の仕事術』に基づいて、解説してみよう。
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