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亀田の柿の種が必死で取り組む「ブランドの老齢化」対策:新商品を続々発売(2/2 ページ)
「亀田の柿の種」シリーズが膨張を続けている。「モスバーガー監修のてりやきバーガー風味」「CoCo壱番屋監修のカレー風味」といったコラボ商品だけでなく、プレミアムな柿の種や英国風パブチェーン「HUB(ハブ)」専用の柿の種を次々と投入している。背景にはどのような狙いがあるのだろうか。
新商品を続々と投入する理由
亀田製菓の柿の種シリーズで最も売れているのは、スタンダードな「亀田の柿の種」(6袋詰、参考小売価格280円前後)で、1日の生産袋数は約24万袋にも上る。同社が柿の種にピーナッツを入れて販売するようになってから約50年が経過しているが、なぜユニークな新商品を次々と投入しているのだろうか。
亀田製菓のマーケティング担当者は「亀田の柿の種はロングセラーブランドです。ファンを増やし、ブランドの老齢化を防ぐため”話題喚起”を定期的に実施しております」と説明する。
柿の種は差別化が難しい商品だ。亀田製菓のWebサイトで亀田の柿の種の歴史を見ると「類似品が多数現れ、差別化のためにパッケージにブルーリボンを取り入れました」「亀田の柿の種のキャラクターが目立つデザインに変更され、類似品との差別化が強化されました」といった文言が並ぶ。同社は常に他社製品との差別化に腐心してきたといえる。
新しい挑戦を続けないと類似品の中に埋もれてしまうばかりでなく、ブランド名が消費者の記憶から消えてしまう。「カールおじさん」で有名だった明治のスナック菓子「カール」でさえも、販売地域の大幅な縮小を余儀なくされた。多くの消費者に親しまれているブランドであっても、不断の努力なくして存続は難しい。それは、亀田の柿の種も例外ではないようだ。
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