2015年7月27日以前の記事
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56歳で早期退職 元大手ITエンジニアが「介護タクシー」続けるワケ連載 熱きシニアたちの「転機」(4/5 ページ)

定年後を見据えて「攻めの50代」をどう生きるのか。新天地を求めてキャリアチェンジした「熱きシニアたち」の転機(ターニングポイント)に迫る。第1回目は「介護タクシー」会社を起業した元大手ITエンジニアの荒木正人さん(70)。

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「感謝されること」が大きな原動力に

 そんな苦労をしてまで、荒木さんが介護タクシーを続ける理由の1つは、金銭面の事情だ。「金額は言えないが事業のために相当借金した」と正直に明かす。今辞めたら、借金が返済できないのだ。

 だが、続ける理由はそれだけではない。「介護タクシーをやっていて一番うれしいのは、お客さんから感謝されること」と言う。先日も、おばあちゃんを病院まで送っていったら、着いた時に「ありがとうございました、お気を付けて帰ってくださいね」と心のこもったお礼を言われた。手を引いてあげただけで、「ありがとうございます」と深々と頭を下げられたことも。サービス分野でも急速に機械化が進む現代社会では得ることが難しくなった感謝やねぎらいの言葉、人と人とのぬくもりが、荒木さんが介護タクシーを続ける大きな原動力となっているのだ。

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手帳には利用者を送り届けるためのスケジュールがびっしりと書き連ねられている

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