「仕事は人並みで十分」「苦労したくない」と考える新人、過去最多に:「第一志望に入れた」も低下
2018年の新入社員は、「働くこと」に対してどんな価値観を持っているのか――日本生産性本部・日本経済青年協議会調べ。
2018年の新入社員は「働くこと」に対してどんな価値観を持っているのだろうか。日本生産性本部と日本経済青年協議会の調査によると、仕事の取り組み方について「働き方は人並みで十分」(61.6%)、「好んで苦労することはない」(34.1%)と答えた人の割合が、1969年の調査開始以来、過去最高を更新した。
新人が働く目的は、「楽しい生活がしたい」(41.1%)がトップ。「経済的に豊かになる」(30.4%)、「自分の能力を試す」(10.0%)、「社会に役立つ」(8.8%)と続いた。また、「第一志望の会社に入れた」人は、前年から2.0ポイント低い58.6%だった。
就職先を選んだ理由の1位は「自分の能力・個性が生かせるから」(31.0%)。以下、「仕事が面白いから」(19.0%)、「技術が覚えられるから」(10.0%)の順だった。両団体は「(新人が)職場に“寄らば大樹の陰”的な期待を持つ傾向が退潮し、自らの技能や能力、職種への適性に関心を持つ時代へと変化している」と分析する。
将来就きたい役職については、「(出世は)どうでもよい」が17.1%でトップ。2位は「専門職(スペシャリスト)」(16.5%)だった。「部長」(16.3%)、「主任班長」(10.4%)と続き、「社長」は10.3%で最下位だった。社長になりたい人の割合は過去最低の水準だという。
デートの約束があった時、残業を命じられたらどうするか――という質問に対しては、「デートをやめて仕事をする」(68.5%)が「断ってデートをする」(30.9%)を大きく上回った。両団体は「プライベートな生活よりも仕事を優先する傾向がみられるが、11年からは“デート派”が増加している」とみる。
両団体は「この調査結果をもとに、(企業は)新入社員に合った研修やキャリア開発を行い、より適切な人材育成にむすびつけてほしい」としている。
調査は3月12日〜4月30日にかけて、日本生産性本部が主催する新人研修に参加した1644人の新入社員を対象に実施した。企業を通じて調査票を配布し、その場で回答してもらう形式をとった。
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