「アシモは姿を変えて残り続ける」 ホンダ、ヒューマノイドロボの開発継続へ:ダンスのデモも継続へ
ホンダが「ASIMO」の開発を取りやめ、研究チームも解散したと一部が報道。同社に真偽を聞いたところ、チームの解散を否定した。「ASIMO」の名前や姿が残るかは分からないが、ヒューマノイドロボの開発は継続するという。
本田技研工業(ホンダ)が2足歩行ロボット「ASIMO(アシモ)」の開発を取りやめ、研究チームも解散したと一部報道機関が6月28日報じた。今後は介護用など実用的なロボット開発に移行するという。
報道を踏まえ、ホンダは同日、「アシモのような人に寄り添い、生活の質を向上させ、人の可能性を拡大するロボティクス研究に取り組んでいる」「ヒューマノイドロボットの研究は継続する」との声明文を発表したが、アシモの開発を続けるかどうかは明言を避けた。
2000年の発表後、多くのファンに愛されたアシモは今後どうなるのか。ホンダは今後、どんなロボットをつくっていくのか。
アシモの研究・開発は続けている
ITmedia ビジネスオンラインの取材に対し、ホンダは「ヒューマノイドロボット研究チームは解散していない。アシモも含めて研究・開発を続けている」(広報部、以下同)と回答。「昨日の報道は、関係者の話の一部のみを切り取ったものだろう」と説明する。
ただ、「今後ホンダが、ヒューマノイドロボット研究をどんな形で世の中にアウトプットするかは検討次第」とし、「アシモの名前や姿が残る可能性もゼロではないが、違ったものになるかもしれない。手だけ、頭だけ、足だけなど、何らかの形に変わることもあり得る」という。
研究成果の発表時期については「詳細は非公表」とした。
アシモの技術を他製品に応用
また今後は、「アシモが2本足でバランスを取る技術や周囲を認識する技術を、他の製品に応用することも視野に入れている。介護ロボに生かす可能性もある」という。
具体的には、ライダーが乗っていなくてもバイクが自立する技術「Honda Riding Assist-e」、足が不自由な人をサポートする歩行訓練機器「Honda歩行アシスト」――などに応用する可能性があるとしている。
アシモがいなくなることはない
またホンダは現在、ショールーム「Hondaウエルカムプラザ青山」(東京・港区)や、「日本科学未来館」(東京・江東区)などでアシモがダンスなどを行うデモを披露している。デモはこれからも継続するのか。
ホンダは「デモはPR活動・ロボット普及活動の一環であり、今後も毎日行う」と明言。「多くの人々に愛されてきたアシモは、当社の大切な資産やアイコンであり、研究の成果物。アシモが皆さんの前からいなくなることはない」と話している。
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