セブンが「100円生ビール」を中止した、2つの心当たり:スピン経済の歩き方(2/6 ページ)
セブン-イレブンの「100円生ビール」が中止になった。本部が中止の判断を下したことを受け、さまざまな憶測が飛び交っているが、筆者の窪田氏は2つの理由が大きいのではないかと見ている。どういうことかというと……。
コンビニ前は「全面禁煙」の次なるターゲット
愛煙家の方たちはまったく気にかけることもないだろうが、実はタバコの煙を吸うのはもちろん、あの匂いをかぐだけでも不快になる嫌煙家のみなさんからすれば、コンビニへ出入りをするに際、入口付近でスパスパやられるのは迷惑行為以外の何物でもない。
これは筆者の思い込みでもなんでもなく、九州看護福祉大が、20〜79歳までの男女約1万人を対象として、受動喫煙の経験について調査をしたところ、「飲食店」(62.1%)が最も多くて、「路上」(60.4%)、「パチンコ店など遊技場」(59.3%)と並んで多いのが「コンビニ出入り口」(56.7%)となっているのだ。
禁煙運動を展開されている医師のみなさんに取材するとほぼ例外なく、「コンビ二前の喫煙は問題だ」とおっしゃる。実際に名古屋では、コンビニに対して灰皿の撤去を求める訴訟も起きている。つまり、飲食店の全面禁煙が条件付きながらも達成した今、「コンビニ前」は次の受動喫煙をめぐる「激戦地」になる可能性が高いのだ。
そんなに文句があるなら、吸う場所をつくっているコンビニへ言えよと腹をたてる愛煙家も多いと思うが、実はあの灰皿は、「ここで喫煙をお楽しみください」のものではない。
「コンビニ業界は、灰皿は吸うためではなく、歩きたばこを入店前に消してもらうためとするが、必ずしも周知されていない」(産経WEST 2017年2月1日)
周知どころか「喫煙スペース」だと勘違いしている喫煙者の方が圧倒的に多い。そこで、受動喫煙防止対策の議論が過熱してきた昨年からコンビニ業界も本格的な対策に乗り出している。
「セブン−イレブン・ジャパンは灰皿撤去の方針を打ち出し、ファミリーマートは路上喫煙禁止条例のある地域は店頭の灰皿を原則撤去、都市部の一部では店内に喫煙室を設置した。ローソンも同様の取り組みをしている」(産経WEST 2017年2月1日)
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