コメダが沖縄に初進出 残る青森も秒読み段階?:店舗数はまだまだ増える(1/2 ページ)
コメダ珈琲店が沖縄県に初進出する。残る未出店地域は青森県のみとなったが、コメダホールディングスは近年、積極的な拡大策を打ち出しており、出店数はさらに増える見込みだ。
コメダは8月6日に「コメダ珈琲店 沖縄糸満店」(沖縄県糸満市)をオープンする。席数は88席で、全席禁煙となっている。地域住民だけでなく観光客の利用も狙っており、同店では沖縄限定特製ピザ「ハワイアン」(580円、税込)を販売する。これは、パイナップルとハムを使用したフルーティな南国風のピザで、ブレンドコーヒーとの相性もいいという。
コメダ珈琲店は沖縄県と青森県に進出していなかったが、沖縄糸満店の出店により残る未出店地域は青森のみとなった。18年2月期の決算説明資料によると、青森県については「物件及びオーナー開拓中」としており、遠からず全国出店を達成するとみられる。
急拡大を続けるコメダ珈琲店
コメダ珈琲店は1968年に名古屋市で開店した。「誰もがくつろげる『街のリビングルーム』でありたい」という考えから、店内には大きめの椅子や厚めのテーブルを配置しており、落ち着いてコーヒーや食事を味わえるのが特徴だ。
当初は東海地方を中心に店舗数を増やしてきたが、2000年代に入ってから積極的に他地域へ進出するようになった。03年には関東初の店舗となる「横浜江田店」(横浜市)を、06年には関西地域初の店舗となる「奈良中央店」(奈良市)をそれぞれオープンした。さらに、10年以降には、北陸、九州、東北、北海道エリアにも進出している。
コメダ珈琲店を運営するコメダホールディングス(HD)は、店舗網の充実を重点施策として打ち出している。11年度の店舗数はグループ全体で435店だったが、19年2月期には860〜870店まで増やす予定だ。
店舗網拡大のエンジンとなるのはコメダ珈琲店で、19年2月期には55〜60店舗を新規出店予定だが、実はもう1つ急激に伸びている業態がある。それは、コッペパンを提供する「やわらかシロコッペ」で、19年2月期には20店舗程度の新店オープンを目指すとしている。
やわらかシロコッペは17年9月に名鉄百貨店(名古屋市)に初出店したところ、売り上げが好調だったため、近年、相次いで店舗数を増やしている。18年2月期の決算資料によると、1店舗当たりの月商は500〜1000万円で、利益率は15%程度だという。現在、東京都内を中心にコッペパン専門店が相次いでオープンしており、コメダHDはコメダ珈琲とやわらかシロコッペをコラボさせた新業態「KOMEDA’S STAND」(東京都豊島区)をオープンしている。
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