「5」への強いこだわりで急成長 ゴーゴーカレーの巧妙な戦略:長浜淳之介のトレンドアンテナ(1/5 ページ)
2004年に1号店をオープンさせてからカレー専門店として国内2位の地位に躍り出たゴーゴーカレー。急成長した背景にあったのは、考え抜かれたビジネスモデルだけでなく、松井秀喜選手や「5」への強いこだわりがあった。
石川県金沢市近辺で愛好されていた「金沢カレー」を有名にした立役者「ゴーゴーカレー」。国内店舗数は約76店で、カレー専門店首位の「カレーハウスCoCo壱番屋」の1258店(2018年2月末現在)に大きく引き離されているものの、業界2位をキープしている。
ゴーゴーカレーの際立った特徴は「5」という数字への徹底したこだわりだ。カレーは55の工程を経て調理し、5時間かけてじっくり煮込み、55時間かけて熟成させるのだという。
また、1号店のオープン日は04年5月5日。会社の資本金5500万円はともかく、年商(グループ全体)55億円に至ってはネタとしか思えないが、「5」への強いこだわりが他の外食チェーンとの差別化要素になっている。
今回は「5」にこだわるゴーゴーカレーと金沢カレーのビジネスモデルを検証したい。
「5」への徹底的なこだわり
ゴーゴーカレーでは、「ゴーゴータイム」と称して、オープンから午後5時55分まで看板商品のロースカツカレーやチキンカツカレーが100円引きになったり、毎月「5」のつく5日、15日、25日の「ゴーゴーデー」には次回の来店以降に使えるトッピングサービス券が付いてきたりと、販売促進策が「5」を意識して組まれている。
5月5日の「ゴーゴーバースデー」には、ほとんどの商品を500円(税込、以下同)で提供していたが、18年はゴールデンウィーク中に大行列ができることで顧客の時間が潰れることを考慮して休止となった。代わりに、5枚つづりのプレミアムチケットを配布した。
顧客サイドから見れば「5」のつく日や時間がお得と覚えておけば、何らかの特典がもたらされる確率が高く、とても分かりやすい。各店の電話番号も、どこかに「5」の数字が入っている。
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