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全自動でごみを片付けてくれるテーブルも 中国のスゴい“未来のコンビニ”、そのリアル:山谷剛史のミライチャイナ(4/4 ページ)
中国で「無人コンビニ」などの実験店舗が続々と現れた。「未来のお店」などと華々しく取り上げられるが、その実際はどうなのか。現地のIT事情に詳しい山谷氏が実際に店舗を訪れて利用してみた結果は……。
新しいコンビニの中でも、スマホアプリでも決済できる有人のスーパーやコンビニが現状では最も便利に感じた。あらかじめインストールした店舗のアプリないしは微信小程序を起動し、アプリのバーコードスキャナーから商品のバーコードを読み取り、セルフで電子決済で購入を完了させるというものだ。
ラオックスを買収したことで知られる家電量販店「蘇寧電器(SUNING)」が展開するコンビニ「蘇寧小店」などがその代表だ。ECが盛んな影響で、中国最大手の蘇寧電器でもリアル店舗での購入者が少なくなっている中、全国の店舗内に蘇寧小店を設置したことで、一気に店舗数を増やしている。現金での支払いも可能で、最新テクノロジーに追随できない市民に対しても優しい。
客入りを見ると、ガラス張りの密閉された無人コンビニより、自販機を詰め込んだコンビニのほうが客は多く、それよりさらにセルフスマホ購入対応の有人コンビニのほうがにぎわっている。ガラス張りの無人コンビニは確かに斬新だが、駐車場や広場に置かれていることもあり、「新しくできたのに気づかなかった」という声も。今のところはスマホでセルフ購入もできる店舗が、ニューリテールの最適解のひとつのようだ。
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