インタビュー
ありそうでなかった「段ボールを開けられるマッキー」 ゼブラが明かす開発の裏側:時代に合ったマーカーに(2/2 ページ)
ゼブラが、段ボールに貼られたガムテープを裂いて開けられる油性マーカー「マッキーワーク」を発表。発売は8月24日だが、ネット上などで「ほしい」などと好意的な意見が挙がっている。同社に開発の経緯を聞いた。
切れ味と安全性へのこだわり
「マッキーワーク」を開発する上では、パーツの切れ味と安全性の両立にこだわった。けがや箱の中身の破損につながらないよう、素材はプラスチックを使用している。
「パーツは単にとがらせるのではなく、真ん中がくぼんだ形状にしている。普段は触っても指を傷つけないが、テープに押し当てた場合のみ、鋭利な切れ味を発揮する」という。
「素材は耐久性に優れつつ、テープに引っ掛かりやすいものを採用した。多少のテープを裂き続けても刃こぼれしないため、長く使ってもらえれば」と自信を見せる。
従来品と30円しか変わらず
こんな工夫を凝らした「マッキーワーク」だが、従来品の「ハイマッキー」(税込162円)と30円しか価格が変わらず、手に取りやすい点も強みだ。「調達面も工夫し、品質を保ちつつコスト削減に成功している。オフィスや一般家庭で気軽に手に取ってもらえれば」とゼブラは強調する。
発売後は、売れ行きやユーザーの反応を注視する。一定の成果が出た場合は、“段ボールを切れるパーツ”の他商品への導入も検討する。
同社は「今後、『マッキー極細』『マッキーノック』などのマッキーシリーズや、ボールペンに段ボールを開けるためのパーツが付属する可能性はゼロではない」と話している。
関連記事
- 「段ボールを開けられる」マッキー登場 ガムテープを裂くパーツ搭載
ゼブラが、段ボールに貼られたガムテープを裂いて開けられる油性マーカー「マッキーワーク」を発売する。プラスチック製のパーツをキャップに取り付けると、けがや中身を傷つけることなくテープを裂ける。 - 文具の定番「クリップ」が“楽に開ける” 100年ぶり進化の理由
プラスが、従来品の約半分の力で開けるクリップ「エアかる」を開発。3月に発売予定だが、ネット上では「実物を試したい」と話題を呼んでいる。開発元に狙いを聞いた。 - 「だじいな おらしせ」――広告の文字を並べ替えたら、老舗店のどら焼きが大ヒット
富山県の老舗どら焼き店「中尾清月堂」が、3月に展開した「タイポグリセミア現象」を利用した広告戦略の成果を発表。単語を構成する文字を並べ替えても、人間が問題なく読めてしまう現象で、広告に「だじいな おらしせ(だいじなおしらせ)」などと掲載。大ヒットにつながったという。 - 家賃が200万円もするのにスタバがもうかる理由
スタバは大都市の一等地に多くの店舗を構えている。1杯数百円のコーヒーを販売しており、店に長居するお客も多い。家賃が200万円以上するような場所でも利益が出せる秘密とは? - いつも暇そうに新聞を読んでいる不動産屋はなぜベンツに乗っているのか
いつも店舗で暇そうにしている不動産屋を見かけたことはないだろうか。ビジネスパーソンがせっせと働いているのとは対照的だが、どのようにして稼いでいるのだろうか。そのビジネスモデルを解剖する。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.