「綾鷹」に初のトクホ登場 苦みを抑えて“選ばれる味"に:「トクホはおいしくない」を変える
コカ・コーラシステムが、特定保健用食品(トクホ)の「綾鷹 特選茶」を9月24日に発売する。「トクホはおいしくない」とのイメージを変えるため、苦みを抑えた味わいを実現したという。
コカ・コーラシステムは8月10日、特定保健用食品(トクホ)の緑茶「綾鷹 特選茶」を9月24日に発売すると発表した。植物由来の食物繊維「難消化性デキストリン」を含んでおり、食事の際などに飲むと糖分の吸収と血糖値の上昇を抑えるという。2007年から販売する「綾鷹」シリーズ初のトクホ飲料となる。
500ミリリットル入りで、希望小売価格は170円(税別)。茶葉の種類や温度などを工夫し、苦みを抑えた味わいを実現しており、既存のトクホ飲料に抵抗があった健康志向の顧客を取り込む狙いがある。
日本コカ・コーラ マーケティング本部の成岡誠さんは「顧客調査を行った結果、トクホ飲料の緑茶は『おいしくない』『苦みやくせが強く、飲みにくい』『毎日飲める味ではない』といったイメージが出た。『綾鷹 特選茶』はこの課題を解決できるよう、味わいにこだわって開発した」と自信を見せる。
具体的には、綾鷹シリーズ誕生当初から開発に協力する、京都の老舗茶屋「上林春松本店」が選定した茶葉を使用。急須でのお茶の入れ方を再現し、低温のままじっくりと抽出することで、苦みを抑えた味わいを実現したという。
「特選茶」というネーミングは、「トクホ」と「厳選した茶葉を使用した」の両方を意味しているほか、テレビCMなどで使用してきたキャッチコピー「選ばれたのは、綾鷹でした。」と掛けているという。
「綾鷹をトクホ市場の中で一番のブランドにしたい。今後、大規模なマーケティング活動を展開していく」と成岡さんは意気込む。
「濁り」と「うまみ」を失ってはならない
開発に携わった日本コカ・コーラ マーケティング本部 ティーカテゴリー バイスプレジデントの小林香予さんは、昨年発売された「コカ・コーラ」ブランド初のトクホ飲料「コカ・コーラ プラス」も手掛けた人物だ。
小林さんは「コカ・コーラの魅力を保ちながらトクホ飲料を開発した経験を生かした。今回も綾鷹として出す以上は、最大の魅力である『濁り』と『うまみ』を失ってはならないと考えた。トクホ商品ではあるが、顧客にはおいしさをとどけたい」と話す。
トクホ食品や飲料の需要が一巡したことや、比較的安価な「機能性表示食品」の需要の高まりにより、近年のトクホ市場自体はやや縮小しているが、小林さんは「綾鷹を世に出すことで、トクホ市場を活性化し、市場規模を大きくしたい。その中でシェアも伸ばしていきたい」と展望を語った。
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