受動喫煙による健康被害の防止に向け、完全禁煙化に踏み切る飲食店が増えるなど、喫煙者への風当たりが強まっている昨今。いまもたばこを吸っている人はどの程度存在するのだろうか。
小売事業者向けのマーケティング支援を手掛けるプラネットが約3900人に喫煙習慣の有無を聞いたところ、「喫煙している」は20.7%。「吸っていない」は51.1%、「喫煙者だったが、今はやめた」(28.2%)――となり、非喫煙者が計約80%を占めた。
喫煙者に禁煙の意思があるかを聞いたところ、最多は「禁煙の予定はない」(53.7%)。「時期は決まっていないが、いつか禁煙する」(40.7%)、「禁煙する予定で、時期も決めている」(5.6%)と続いた。
「禁煙の予定はない」と答えた人に理由を聞いたところ、トップは「自分にとってのリラックスタイムだから」(54.6%)。2位は「自分の生活スタイルだから」(49.3%)、3位は「気分転換になるから」(47.7%)と、気持ちを切り替える手段としてたばこを重宝しているとの回答が多く集まった。
4位は「吸わないとストレスがたまる」(38.7%)、5位は「口が寂しい」(18.5%)、6位は「(吸うと)集中力が出る」(11.8%)。「やめるほうが逆に(体に)悪い」(11.6%)、「喫煙所でのコミュニケーションが大切」(11.1%)などの答えも多かった。
プラネットは「女性にはリラックスやストレス解消など、メンタルの安定のためにタバコを吸う傾向があるのに対し、男性の場合、喫煙が自身のライフスタイルや生活信条につながっていることがうかがえる」と分析する。
では、禁煙に成功した人と、禁煙の予定がある人が、「たばこをやめたい」と思ったきっかけは? 調査では、「自分の健康のため」が61.4%で最多。以下、「たばこ代が高い」(37.4%)、「喫煙可能な場所が減ってきた」(17.5%)、「配偶者・パートナーの健康のため」(16.8%)、「自分の口臭や煙のニオイが気になる」(15.1%)――と続いた。
禁煙のきっかけとしては、「肺がんや心筋梗塞など、深刻な病気になって初めて禁煙できた」「かわいい孫のために禁煙した」「結婚を機にたばこをやめた」といった体験談が挙がり、同社は「たばこ以外に大事な目標を見つけることが、禁煙に成功する近道かもしれない」と結論付けている。
調査は2018年6月20日〜7月10日にかけてインターネット上で実施。3893人の男女から回答を得た。
関連記事
- 東京の愛煙家が集うベローチェとルノアール 受動喫煙防止条例への対応は?
2020年に東京都の受動喫煙防止条例が施行されると、東京を中心にチェーン展開するベローチェとルノアールは経営に大きな影響を受ける可能性がある。残り2年でどのような対策をとる予定なのだろうか。 - 「全面禁煙化」から1カ月 串カツ田中が得たもの、失ったもの
串カツ田中が全面禁煙化に踏み切ってから1カ月がたった。客層や売り上げにはどんな変化があったのか。運営元の串カツ田中ホールディングスが報告書を公開し、成果と課題点を明らかにした。 - 「アイコスの受動喫煙被害はない」――フィリップモリスが発表のワケ
実生活に近い環境下で加熱式たばこ「IQOS」を使用しても非喫煙者への受動喫煙被害はほぼない――とフィリップ モリス ジャパンが発表。レストランでアイコスを使用しながら飲食する試験などを行ったが、大気中の有害物質の濃度は平常時とほぼ変わらず。非喫煙者の体内からも、こうした物質はほぼ検出されなかったとしている。 - 「肺がん患者にヤジ」の自民議員が元社長 ジョイフル、将来の「全面禁煙化」表明
ジョイフル元社長の穴見陽一議員が、衆院厚生労働委員会で肺がん患者に「いい加減にしろ!」とやじを飛ばした。取材に対し、同社は「国会議員としての発言で、自社とは無関係」と回答。将来的な「全面禁煙化」を表明した。 - サイゼリヤの「全面禁煙化」始動 7月から約300店舗で
サイゼリヤが、7月21日から全面禁煙化を段階的に始める。全国のショッピングセンターに入居する275店舗と、京都府内の全21店舗の全席を禁煙とする。2019年9月までに全店舗に広げる計画。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.