理髪店「QBハウス」、カット代を1200円に値上げへ 19年2月から:人材面の強化が狙い
「QBハウス」が値上げを発表。通常価格は1200円、平日シニア価格は1100円となる(ともに税込)。人材の採用・育成への投資に回すためという。
ヘアカット専門店「QBハウス」の運営元、キュービーネットを傘下に持つキュービーネットホールディングス(HD)は8月13日、2019年2月1日から全店でカット料金を値上げすると発表した。現在は通常価格を1080円、平日のみ65歳以上の料金を割り引く「平日シニア価格」を1000円に設定しているが、前者を1200円、後者を1100円に引き上げる(価格は全て税込)。
同社は1996年に創業後、低価格かつ約10分とスピーディーに調髪する独自のサービスを打ち出してきたが、現在は「他業種との競争激化により、人材確保の難易度が急速に高まっている」という。
そのため、「現在は異なる仕事に就いている元理美容師の採用・育成への投資や、店舗スタイリストの安定的な待遇改善に取り組む必要があるが、内部努力による経費削減だけでは対処できなくなったため値上げに踏み切る」と説明している。
同日発表した18年6月期(17年7月〜18年6月)の通期連結業績は、売上高が前年同期比7.3%増の192億8700万円、営業利益が9.2%増の16億4100万円、最終利益が1.8%増の10億4100万円と増収増益だった。
国内経済が回復基調にあるほか、「カット未経験者やパートタイムの理美容師を積極的に採用・育成する方針を進めたことが(好決算に)寄与した」という。
今後は値上げによって人材面をより強化し、さらなる成長を図る計画だ。値上げの影響を織り込んだ19年6月期(18年7月〜19年6月)の通期連結業績予想は、売上高が5.8%増の204億600万円、営業利益が15.7%増の19億円、最終利益が17.7%増の12億2600万円を見込む。
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