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突っ込みどころ満載! 「水槽より注目浴びるPOP」を作る水族館員の告白連載:ショボいけど、勝てます。 竹島水族館のアットホーム経営論(4/5 ページ)

休日には入場待ちの行列ができ、入館者数の前年比増を毎月達成している水族館が、人口8万人ほどの愛知県蒲郡市にある。飼育員たちのチームワークと仕事観に迫り、組織活性化のヒントを探る。

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客と魚をよく観察すれば、POP書きのネタが見えてくる

 副館長の戸舘さんによると、いま最も多くPOPを書いているが竹山さんだ。調子がいいときは業務の合間を縫って週に2、3枚のペースで作成している。

 「書けないときは週に1枚も書けません。『やらなくちゃ』と焦っても面白いものは作れないと思います。あまり注目されていない水槽をまじまじと見ていたり、お客さんの声を聞いたりして、ネタがそろったと思ったら書き始めます」

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「共感」を大事にする竹山さんの傑作POP。相田みつを風に書いてみた

 POPの担当範囲は決まっておらず、どの水槽にも自由に書いて貼り出すことができる。ただし、客の反応が悪いといたたまれなくなって自分で剥がす結果に終わる。「ネタ」をそろえるには、客と魚をよく観察することが必要であり、おのずと自分が飼育を担当する水槽に関するPOPが多くなる。竹山さんの場合は深海生物とクラゲだ。

 「POPを貼ってお客さんの反応を見るのは楽しいですよ。ネットでもチェックします。『POPばかり読んでいて魚を見るのを忘れた』なんていううれしいツイートもあります。魚も見てくれよー、と思いますけどね(笑)。竹島水族館は狭いし、水槽も真四角なのがほとんどです。何度も来てくれるお客さんを飽きさせないためには、いつも何かを変えていかないといけません。POPならすぐに作って貼り出せます」

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竹山さんはタカアシガニなどの深海生物を担当。「漁師さんから連絡が来て、『大きいのが来たよ』と言われたりすると興奮します」

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