夏の甲子園に潜む“無限ループ”は「最悪の事態」が起きるまで続くのか:赤坂8丁目発 スポーツ246(1/4 ページ)
酷暑が続く中、高校野球の熱戦だけでなく、その大会運営に対する議論も白熱している。ただ、これまでの伝統や球児、関係者の思いを考慮すると、大きな変革は望めない。「夏の甲子園」と暑さ対策、“無限ループ”が続いていくだろう。
連日の熱戦に酔いしれている人は多いだろう。第100回全国高等学校野球選手権記念大会が真夏の甲子園球場で開催されている。第13日の8月17日にベスト8が出そろい、白熱の戦いもいよいよクライマックスが近づいてきた。
一方で、さまざまなところから夏の甲子園開催へ疑問が投げかけられ、今も物議を醸している。「酷暑のグラウンドで行われる試合は危険」という指摘だ。日本列島は連日のように35度を超える猛暑日が続いている。甲子園も例外ではなく、グラウンド上でプレーする球児たちの体感温度は危険レベル。体温をはるかに超え、まるで低温サウナの中で試合をするような状態になっているとの声もある。
だから有識者の方々は夏の甲子園を中止させるか、あるいは開催時期をずらすか、ナイター試合も組み込むか、もしくは空調設備の整ったドーム球場でトーナメントを行うべきだ――などと“妙案”を出しながら唱え続けている。もちろんこれらが間違っているとは思わないが、この類の話は近年になってワーワーと夏の風物詩のように騒がれているだけで真剣な議論になったためしはない。
これを「改革」といえるかどうかはかなり微妙だが、今春のセンバツから延長13回以降のタイブレーク方式が導入され、早めの決着を促すことで選手たちの体調面を考慮する動きが多少活発になった程度だ。きっと今後も夏の甲子園開催のシステム自体は基本的にほとんど変わらないだろう。
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