50代ではもう遅い? 40代から始めるキャリア支援のススメ:ミドル・シニア躍進に向けて(1/4 ページ)
40代〜60代のミドル・シニアの躍進行動を促すことで、企業の生産性向上につながることが期待されている。そのために、企業はどういった取り組みをするべきなのだろうか……?
40代〜60代のミドル・シニアの躍進行動を促すことで、企業の生産性向上につながることが期待されています。ミドル・シニアの躍進のために、企業はどういった取り組みをするべきなのでしょうか。
今回は、40代〜60代の2300人を対象とした「ミドル・シニアの躍進実態調査」から明らかになった「伸び悩みタイプ」の躍進を促すために、企業が取り組むべき「キャリア支援」について見ていきます。なお、本記事では、「ミドル」「シニア」の定義を【ミドル:40歳〜54歳】【シニア:55歳〜69歳】としています。(調査概要は文末参照)
40代で大きく揺れ動く、個人のキャリア意識
スイスの心理学者、カール・G・ユングは、人の一生を1日の太陽の軌道になぞらえ、40代を「人生の正午」と呼びました。人生の折り返し地点に差し掛かるこの時期に、多くの人が仕事やキャリアに対する考え方・価値観の変化を経験することから「中年の危機」(ミッド・ライフ・クライシス)とも言われています。
それでは、40代〜60代のミドル・シニア期における個人のキャリア意識に一体どのような変化が生じているのでしょうか。企業のキャリア支援について考える前に、まず個人のキャリア意識の特徴を確認しておきましょう。
40代に見られる最も顕著な特徴が、「出世」に対する意識の変化です。
2017年、パーソル総合研究所が実施した『働く1万人成長実態調査2017』によれば、組織の中で「出世したい」という意識を持つ個人の割合は歳を重ねるごとに減少し、42.5歳を境目に「出世したいと思わない」という回答が「出世したい」を上回ることが分かっています(図1)。
さらに「キャリアの終わり」を意識し始めるのも、この時期の特徴のひとつといえます。同調査によれば、キャリアの終わりを意識している人の割合が意識していない人の割合を逆転するのは45.5歳であることが分かりました(図2)。
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