コラム
ハラスメントを招いてしまう要因は「甲子園」と「水戸黄門」:次から次へと(3/3 ページ)
次から次へと現れるスポーツ界のハラスメント。 一般社会がこれだけコンプライアンスにうるさくなっているにもかかわらず、とどまるところをしりません。スポーツ界だけが腐っているのか? それとも……。
(3)ハラスメント対策でやるべきこと
人事・組織コンサルティングが私の本業ですが、ここ最近の仕事の多くがハラスメント対策です。企業や官公庁など大きな組織からの依頼で、各所でハラスメント研修を行っています。
現場から必ず聞かれる「どこまでがハラスメントか」「ハラスメントの線引き」について、高校野球も水戸黄門も、非常に分かりやすい事例として説明に使います。悪代官は最後に成敗されてしまいます。そして高校野球だけでなく、アマチュアスポーツ界は、今、ハラスメント告発の嵐にさらされています。
アメリカンフットボール、レスリング、ボクシングにとどまらず、今でも次々告発は続いています。糾弾され組織を追われた元指導者の人たちは、ハラスメントと指導の線引きを理解していませんでした。しかしそれはその指導者個人のことではなく、その周囲の環境全体が後押ししていたはずです。
ハラスメント対策はこれは○、これは×と、いちいち事例を挙げて判断を伝えることではなく、そもそもハラスメントとなる境目がなんであるかを認識させることにあると信じます。人に言われてハラスメントだと理解するようでは全く問題解決になりません。
スポーツ指導者の糾弾はまだまだ続くでしょう。その先にある牙城は甲子園球場なのかもしれません。(増沢 隆太)
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