破産したケフィア事業振興会が声明文 「新規事業が苦戦した」「深くおわびする」:負債総額1053億円超
ヨーグルトなどの通販サービス「ケフィアカルチャー」を運営するケフィア事業振興会とその関連会社3社は9月3日、同日付で東京地裁から破産開始決定を受けたこと公式Webサイト上で公表した。
ヨーグルトなどの通販サービス「ケフィアカルチャー」を運営するケフィア事業振興会とその関連会社3社は9月3日、同日付で東京地裁から破産手続開始の決定を受けたことを公式Webサイト上で公表した。発酵乳「ケフィア」を使用した食品の販売を中心に、野菜の栽培や環境事業などにも手を広げていたが、新規事業の多くが低調であり、収益化が難しい状況だったという。
関連会社は、かぶちゃん九州(東京都千代田区)、かぶちゃんメガソーラー(長野県飯田市)、飯田水晶山温泉ランド(長野県飯田市)。東京商工リサーチによると、4社合計の負債総額は1053億3706万円、債権者数は3万3747人。
「ケフィアカルチャー」は220万人の会員を抱えており、ケフィア事業振興会は会員からの出資によって資金を調達していた。具体的には、一口5万円程度から出資を募り、1年後にボーナスを加算して返還する「オーナー制度」、金銭消費貸借契約を結んだ上で金銭を借り受ける「サポーター募集」などを設けていた。
2017年7月期には1004億252万円の売上高、1億5011万円の純利益を計上していたが、17年11月頃から会員への配当や元本の支払いが遅れ、訴訟問題に発展するケースが多発。国民生活センターへの問い合わせも急増し、消費者庁が社名を挙げて注意喚起するなど社会問題化していた。
ケフィア事業振興会は支払いが遅延した理由を「システムの不具合」とした上で、「トラブルの急増を受けて当社に関する記事が多数掲載されたほか、対策弁護団が結成されたため、当社の信用が著しく悪化した」「(信用低下を受けて)会員の皆さまの間で契約解除や更新の停止が多発し、資金繰りが苦しくなった」などと破産の理由を説明。
「会員の皆さまや関係者の皆さまに多大なご迷惑をおかけする事態となったことを深くおわび申し上げます」と謝罪している。
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