“めんどくさい女性”が働き方改革の救世主? 「ババア活用」のススメ:河合薫の「社会を蝕む“ジジイの壁”」(1/5 ページ)
働き方改革を実感していない人が多いのは、「人生の邪魔をしない職場づくり」ができていないから。どうすればいいのでしょうか? 「細かい、おせっかい、空気を読まない面倒くさい人=ババア」が救世主になるのです。
「働き方改革」という言葉がメディアの「レギュラー」となってから随分とたちますが、働き方改革を「まったく実感していない」人が39.2%、「あまり実感していない」人が41.5%だったことが分かりました(日本能率協会が20〜69歳の会社員1000人を対象にしたアンケート調査より)。
柔軟な働き方だの、同一労働同一賃金だの、女性が活躍できる社会だの、聞こえがいい言葉だけは散々飛び交いましたが、8割近い人たちが「実感がない」とは……。残念すぎます。
でも、実感できなくて当たり前。だって進められているのは「働き方改革」ではなく、「働かせ方改革」。働く人のための改革ではなく、企業のコストを削減するための改革でしかないのです。
本来「一人一人が輝く社会」を目指すには、「人生の邪魔をしない職場づくり」が必要不可欠です。私たちは「仕事」「家庭」「健康」という3つの幸せのボールを持っていて、どのボールが落ちても幸せになれません。この3つのボールをジャグリングのように回し続けられる職場こそが「人生の邪魔をしない職場」であり、そのための施策を考え、実行するのが「真の働き方改革」です。
ところが無責任な人ほど出世し、経営者が経営をせず、死ぬまで働いた人を称賛するような職場では、「ジジイの壁」が立ちはだかり改革を阻みます。
ジジイとは、「会社のため」「キミのため」と言いながら「自分のため」にしがみつく人たちのこと。自分の保身だけを考えるジジイの好きな言葉は「既得権益」。彼らは「人=コスト」と考えているので、従来の働き方を変える必要性などみじんも感じていません。
おまけにポストが激減し、ジジイを受け入れる「ジジイGATE」が狭まったことで、ジジイの壁に張り付き、息を潜める「粘土層」も急増しました。彼らは粘土のごとく動きが悪い上に、「もらえるものだけもらい、いられるだけ会社にいよう」と考えているので変化を嫌います。
どんなに政府が「働き方改革を実行せよ!」と声を上げたところで、「ジジイの壁」がある限り「改革」など夢のまた夢。ジジイの壁はとてつもなく高く、ベルリンの壁よりも厚いため、「人生の邪魔をしない職場」づくりは遅々として進まないのです。
では、どうしたらいいのでしょうか? 我慢するしかないのでしょうか? いいえ、そんな必要はありません。
「ババア活用」を進めればいい。ただそれだけです。
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