“めんどくさい女性”が働き方改革の救世主? 「ババア活用」のススメ:河合薫の「社会を蝕む“ジジイの壁”」(2/5 ページ)
働き方改革を実感していない人が多いのは、「人生の邪魔をしない職場づくり」ができていないから。どうすればいいのでしょうか? 「細かい、おせっかい、空気を読まない面倒くさい人=ババア」が救世主になるのです。
「めんどくさい人」が職場を変える
「おいおい、ジジイだのババアだの失礼なヤツだな!」と、気分を害している方もいるかもしれませんが、「何かにつけ細かい。おせっかい。空気を読まない面倒くさい人=ババア」こそが、働き方改革の救世主になる。私は本気でそう考えているのです。
いわずもがな職場の階層組織の上位は男社会です。その屋台骨は「男社会での当たり前(規範)」です。ですから、たとえその当たり前がおかしなものであっても、男性は忖度(そんたく)して上司の判断を全ての基準にすることで集団のメンバーとしての地位を確立してきました。
しかし、マチョタイム(=会社人間時間)文化に染まっていない女性たちは、男性たちが諦めたり見逃したりしていたことがクリアに見える。ポストを重視する男性と違い、女性は「仕事が成果」です。
「組織を変えたきゃ、若者、よそ者、ばかものの視点を生かせ!」とは組織論の鉄則ですが、「よそ者」である女性は、男性たちがあうんの呼吸で収めようとした議論を蒸し返し、納得するまで質問攻めします。この女性たちの持つ「鳥の視座」が男性たちをイラつかせるのです。
組織には「めんどくさい女性」を無意識に排除する人(男性)たちもいますが、面倒くさい女性の短所こそが、職場を変える価値になる。人生の邪魔をしない職場づくりには、「組織の論理が分かっていない」「前例がない」が口癖のジジイとは対照的な「ババア力」を最大活用することが肝心なのです。
具体的にお話ししましょう。
女性たちはおしゃべりが大好きなので、ときにプライベートにズカズカと踏み込んできます。そういった行為は職場では知り得ない側面をつかむことができるので、子育てや介護といった家庭の事情も含めた指示を出すことが可能になります。
また、変わってはきたものの、男性は会社に行くことだけが人生になりがちですが、女性は仕事もプライベートも人生なので午後5時になったらさっさと退社する傾向があります。「前例を壊す」ことへのためらいも、「暗黙のルールを変える」ことも厭いません。とりわけ子育て経験のある女性は、限られた時間で子どものペースに合わせて仕事をこなすことに慣れているので、時間管理能力が極めて高い。
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