連載
“めんどくさい女性”が働き方改革の救世主? 「ババア活用」のススメ:河合薫の「社会を蝕む“ジジイの壁”」(4/5 ページ)
働き方改革を実感していない人が多いのは、「人生の邪魔をしない職場づくり」ができていないから。どうすればいいのでしょうか? 「細かい、おせっかい、空気を読まない面倒くさい人=ババア」が救世主になるのです。
「おばちゃん的トップ」の効能
実は、私がこれまで講演会や取材でお邪魔した「社員が生き生きと働いている」企業のトップは、決まって「おばちゃん的男性」でした(すみません)。
属性で人を見下し、ありきたりのトークしかしないジジイとは異なり、オープンで、おしゃべり好き。ジジイは絶対に自分にマイナスになるような話はしませんが、おばちゃん的男性は「え? 初対面でそれ話しちゃう??」と失笑するようなプライベートトークを平気でします。
社長さんのぶっちゃけトークにつられて、私まで普通だったら話さないことまでポロリと話してしまい、一気に心の距離が縮まります。
しかも、そこでの会話が講演会で生きる。短い時間で得た会社の情報や、社長さんのトークを少し加えるだけで、講演会場がどんどんと熱気を帯び、「今日はいい講演会ができた。おばちゃん的トップのおかげだ」と、心の中で感謝するのです。
そもそも無駄話は他者との距離を縮める最高のコミュニケーションです。効率化を重視するあまり、「無駄」をなくすことばかりに躍起になりがちですが、面倒くさい女性の言動が無機質な職場に潤いを与えます。
あなたの職場にいる「細かい、おせっかい、空気を読まない面倒くさい人=ババア」をどんどんと男社会に巻き込んでいくことが、働き方改革の推進力となっていくのです。
関連記事
- 「1カ月の夏休み」は夢? 日本人の“有給の取り方”がズレている、歴史的背景
月曜を午前半休にする「シャイニングマンデー」。経産省内で検討していると報じられたが、そんな取り組みは「無駄」。日本人は、世界では当たり前の「有給休暇をまとめて取る」こともできていないからだ。なぜできないのか。歴史をさかのぼると……。 - 日本人が「ある程度の暴力は必要」と考える、根本的な原因
全国で「暴力指導」が次々と明るみとなっている。会社、学校、クラブ、家など、あらゆるところで暴力指導が日常的に行われているわけだが、なぜ日本人は「ある程度の暴力は必要」と考えるのか。その思想には根深い問題があって……。 - 登山家・栗城史多さんを「無謀な死」に追い込んだ、取り巻きの罪
登山家の栗城史多さんがエベレスト登頂に挑戦したものの、下山中に死亡した。「ニートのアルピニスト」として売り出し、多くの若者から支持を集めていたが、登山家としての“実力”はどうだったのか。無謀な死に追い込まれた背景を検証すると……。 - 大東建託が「ブラック企業」と呼ばれそうな、これだけの理由
電通、NHK、ヤマト運輸など「ブラック企業」のそしりを受ける大企業が後を絶たないが、ここにきて誰もが名を知る有名企業がその一群に加わるかもしれない。賃貸住宅最大手の「大東建託」だ。なぜこの会社がブラック企業の仲間入りするかもしれないかというと……。 - 中京テレビの「2次会強要禁止」、“飲み会も仕事のうち”は変わるのか
上司による2次会参加の強要禁止、社長の一言を廃止――。中京テレビが発表した働き方改革が話題になっている。一見、生産性とは関係なさそうだが、これまでの「当たり前」を問い直すという、本当の働き方改革につながる。なぜなら……。 - 子どもを持つのは国のため? 「3人以上産んで」発言に潜む“幻想”
加藤寛治衆議院議員の「3人以上子どもを産んで」発言。「何が問題なのか」という声も聞こえますが、こうした発言が繰り返される理由を理解しておく必要があります。そこには、戦時中から変わらない「価値観」がはびこっていて……。 - あの大企業も大炎上 「しかるべき手続き」の落とし穴
キリンビバレッジがTwitterで発信し、炎上した「午後ティー女子」。社内で「しかるべき手続き」が行われたはずなのに、なぜ間違ってしまったのか。 - 仕事と家庭を両立できないビジネスマンが陥る「言わなくても分かるよね?」のワナ
家庭の失敗が仕事にも悪影響を与えてしまう。そんな経験をしたビジネスパーソンは少なくないだろう。では、そうならないために一体どうすればいいのだろうか?
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.