「飲み放題」利用で大学生の飲酒量2倍に 危険な飲み方も誘発:筑波大の調査で判明
筑波大学の研究グループが、「飲み放題」が大学生の飲酒行動に与える影響に関する調査結果を発表。飲み放題を利用すると男女ともに飲酒量が2倍近く増えることが分かった。
筑波大学の研究グループはこのほど、居酒屋などでの「飲み放題」が大学生の飲酒行動にどのような影響を与えるのか、その調査結果を発表した。95.8%の大学生が飲み放題を利用したことがあるほか、飲み放題を利用すると男女ともに飲酒量が2倍近く増加することが分かった。
調査によると、飲み放題を利用した大学生の飲酒量は、そうでない場合と比べて、男子では1.8倍、女子では1.7倍増加した。
また、男子学生の39.8%、女子学生の30.3%は、飲み放題の場合は「HED」(一時的多量飲酒、1回の飲酒機会で純アルコール60グラム以上を摂取する)と呼ばれる危険な飲み方をしていることも明らかになった。
同研究グループによると、海外の研究でも「飲み放題」が短時間で多量飲酒をするリスクを2.4倍高めることや、アルコールの血中濃度を上昇させることが明らかになっている。また、アルコール過剰摂取が原因で死亡する10〜20代の若者は、世界で年間33万人に達しているという。
同研究グループは「日本人の4〜5割はアルコールが飲めない、またはとても弱い体質だ。学生が飲み放題の利用時に通常の2倍近いアルコールを摂取している可能性があることは極めて危険だ」と指摘。さらに「飲み放題の利用が飲酒量に与える影響やサービス提供側のあり方について議論する必要がある」とした。
調査は、関東の31大学35学部の大学生・大学院生(20歳以上)を対象に実施。飲み放題を利用した経験のある511人を分析対象とした。調査を担ったのは、筑波大学 医学医療系の吉本尚准教授、博士課程の川井田恭子氏ら。
関連記事
- 「なぜ売れるか分からない」 ドンキ化したファミマの人気商品に幹部が困惑
ドン・キホーテのノウハウを取り入れた共同実験店が6月にオープンした。店舗の売れ筋商品を分析したところ、ある商品が上位に食い込んだ。ファミマの幹部は「なぜ売れるのか分からない」と原因を分析しきれていない。 - 「ウィルキンソン」がバカ売れしている本当の理由
「ウィルキンソン」が売れている。躍進のきっかけはハイボールブーム。割り材としての需要が増えたことでブランド認知が上がったそうだが、大事な要素が欠けているのではないだろうか。どういうことかというと……。 - 「一蘭」にハマった外国人観光客は、なぜオーダー用紙を持って帰るのか
ラーメン店「一蘭」といえば、食事をするスペースが仕切られている味集中カウンターが有名である。珍しい光景なので、外国人観光客も写真を撮影しているのでは? と思っていたら、店員さんに「オーダー用紙を持ち帰りたい」という声が多いとか。なぜ、そんな行動をしているのかというと……。 - 「大阪王将」に後れを取っていた「餃子の王将」の業績が復活したワケ
「餃子の王将」を運営する王将フードサービスが復活しつつある。女性向けの新業態店や安価で量を減らしたメニュー開発が奏功したが、本質的な理由はほかにもあるという。どのような戦略を打ち出しているのだろうか。 - 「はなまるうどん」は「吉野家」を超えるかもしれない
「はなまるうどん」の業績が絶好調だ。今回は「丸亀製麺」の787店に次いで、うどん業界第2位につける「はなまるうどん」が2年連続の赤字という苦境を克服して、再び成長軌道に乗った理由を解説する。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.