ナレッジワーカーの生産性はなぜ上がらないのか:頼りになる人(1/4 ページ)
肉体労働者の生産性は画期的に高まったと言われているが、現在の大半のビジネスマンである、ナレッジワーカーの生産性はどうなっているのだろう?
著者プロフィール:猪口真(いのぐち・まこと)
株式会社パトス代表取締役。
肉体労働者の生産性は画期的に高まったと言われているが、現在の大半のビジネスマンである、ナレッジワーカーの生産性はどうなっているのだろう?
フレデリック・テイラーが、1911年に『科学的管理の原理』を出版して、100年以上の年月が経つ。
肉体労働者の生産性は画期的に高まったと言われているが、現在の大半のビジネスマンである、ナレッジワーカーの生産性はどうなっているのだろう?
さまざまなナレッジワーカーの労働生産性を向上させようとさまざまな試みがなされているが、いまだに、ナレッジワーカーの労働生産性を向上させる方程式はないと言ってもいいだろう。
管理監督がナレッジワーク?
物的生産にしてもナレッジワークにしても、労働生産性とは、労働による付加価値の大きさであり、ナレッジワーカーの付加価値といえば、自分の知的リソースから新たな知的アウトプットを生み出し、金銭的な価値に変換しなければならないということになるが、果たしてそんな人はどれだけいるのだろうか。
実際に、ナレッジワーカーの仕事のうち、かなりの部分を物的生産の管理・監督が占める。つまりフレデリック・テイラーの役割だ。当然、管理・監督としての付加価値を生み出せばいいのだが、残念ながらそうはなっていない。
これまで、多くの企業において、いわゆる管理職の人たちが、労働生産性の外にいたのは、物的生産の管理が仕事であり、管理者自体が何らかの知的付加価値を創出していたわけではないからだ。
今でも、多くのナレッジワーカーにおいて、自分自身の付加価値を正確に測ることはできない。企業では、さまざまな目標が設定され、チームから個人へと目標は落ちてくる。例えば、マーケティングの担当者が、年間の目標として、Webサイトへの100万件のアクセス、1万人のメルマガ読者登録という目標を持っている。しかし、この目標を見事に達成できたとしても、果たしてその仕事が生み出した付加価値を正確に測ることは難しい。
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