ナレッジワーカーの生産性はなぜ上がらないのか:頼りになる人(2/4 ページ)
肉体労働者の生産性は画期的に高まったと言われているが、現在の大半のビジネスマンである、ナレッジワーカーの生産性はどうなっているのだろう?
企業の中にはこうしたさまざまなKPIが存在しており、売り上げや利益と同じように、KPIも昨対いくつというように設定されるため、マネージャーも本人も、それを信じて仕事をしていくことになる。
また、目標はチームで設定されることも多く、チーム目標の達成に向けて、ナレッジワーカー同士で協力し合い、より高度な目標に向かうこともある。
しかし、残念なことに、こうした仕事の測定は、いくらやったところでマネジメントの域を出ることはない。あくまで管理が目的であって、生産性の向上や新たな付加価値の創出には向かっていない。
何かを変えたい、しかし
何かを変えたい、今の沈滞ムードを払拭(ふっしょく)したい、と願う経営者やマネージャーは多いはずだ。同じことを繰り返していたら「より良い成果」は望めないし、新たなことにチャレンジしなければ未来がないことは、少しでもビジネスに携わった人ならば、すぐに気がつくことだ。
しかし、実際のビジネスにおいては、まったくそのようにはなっていない。新しい企画が起案され新規プロジェクトとして立ち上がることはまれで、よしんば立ち上がったとしても、そのプロジェクトが予定通りに実行され、成果を上げることはほとんどないのが実情だろう。
新たな戦略やプロジェクトを完遂させるには、想像をはるかに超えた力が必要になるからだ。この「新たな」というのが、実は曲者で、組織には「新たな」何かを妨害しようとするマインドや古くからの習わしや規制といった魑魅魍魎(ちみもうりょう)がうじゃうじゃしている。皮肉なことに、画期的でこれまでになかったようなアイデアほど、阻止しようと動く力は強力になる傾向がある。
関連記事
- 日本人が「ある程度の暴力は必要」と考える、根本的な原因
全国で「暴力指導」が次々と明るみとなっている。会社、学校、クラブ、家など、あらゆるところで暴力指導が日常的に行われているわけだが、なぜ日本人は「ある程度の暴力は必要」と考えるのか。その思想には根深い問題があって……。 - 登山家・栗城史多さんを「無謀な死」に追い込んだ、取り巻きの罪
登山家の栗城史多さんがエベレスト登頂に挑戦したものの、下山中に死亡した。「ニートのアルピニスト」として売り出し、多くの若者から支持を集めていたが、登山家としての“実力”はどうだったのか。無謀な死に追い込まれた背景を検証すると……。 - 大東建託が「ブラック企業」と呼ばれそうな、これだけの理由
電通、NHK、ヤマト運輸など「ブラック企業」のそしりを受ける大企業が後を絶たないが、ここにきて誰もが名を知る有名企業がその一群に加わるかもしれない。賃貸住宅最大手の「大東建託」だ。なぜこの会社がブラック企業の仲間入りするかもしれないかというと……。 - 7割が「課長」になれない中で、5年後も食っていける人物
「いまの時代、7割は課長になれない」と言われているが、ビジネスパーソンはどのように対応すればいいのか。リクルートでフェローを務められ、その後、中学校の校長を務められた藤原和博さんに聞いた。
関連リンク
Copyright (c) INSIGHT NOW! All Rights Reserved.