フィスコ、グループ企業の仮想通貨交換所は「Zaifと無関係で安全」と強調:9月12日に分離
フィスコの出資先であるテックビューロの「Zaif」から仮想通貨の流出が発生した。これを受けてフィスコは、「グループ企業が運営する取引所は本件とは無関係で安全」との声明文を発表した。9月12日に分離していたという。
投資支援サービスなどを手掛けるフィスコ(東京都港区)は9月20日、同社の出資先であるテックビューロの仮想通貨取引所「Zaif」から67億円相当の仮想通貨が流出した問題を受け、「グループ企業が運営する仮想通貨取引所のシステムはZaifと無関係であり、安全だ」という旨の声明文を発表した。
フィスコのグループ企業「フィスコ仮想通貨取引所」は、仮想通貨取引所「FCCE」を運営している。同取引所の情報処理などを担うシステムは、かつてはZaifがOEM供給したものを使用していたが、9月12日に分離・独立させており、現在は異なるものを使用しているという。
現在使用しているシステムは、システム構築を手掛けるカイカ(東京都目黒区)の子会社が開発したもので、セキュリティ対策に優れているという。
フィスコによると、FCCEに導入されている新システムは、標的型攻撃をはじめ、内部・外部からの脅威に対応する仕様であり、テストや脆弱(ぜいじゃく)性診断なども実施済み。
FCCEは今後も定期的にテストを実施するほか、オフライン環境で仮想通貨を管理する手法「コールドウォレット」の適用率を、現在の90%からさらに引き上げる方針としている。
フィスコ・カイカはテックビューロを支援
フィスコは20日付で、テックビューロと(1)50億円相当の金融支援、(2)最終的な過半数の株式取得、(3)過半数の取締役・1人の監査役の派遣――を検討する契約を締結済み。今後は正式な合意を目指していくという。
カイカもテックビューロと16年に資本・業務提携を締結しており(当時のカイカの社名は「SJI」)、今後はシステム改善に向けた技術支援を実施していくという。
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