シニアが変えた「奇跡の町工場」 加藤製作所の働き方改革：日本一の高齢者雇用企業（4/5 ページ）

日本一の高齢者雇用企業と呼ばれ、60歳以上の新規採用を推進し、メディア掲載や会社見学が絶えない会社が岐阜県中津川市にある。高齢者を生かして会社全体の働き方を変え、他社にも同様の取り組みを広げた「奇跡の町工場」を巡る物語。

[石山恒貴，ITmedia]

高齢者雇用をはじめて、たくさんのメリットがあった

　シルバー社員が仕事に慣れ、不良品も少なくなってくると、社内の雰囲気はとげとげしいものから、あたたかなものへと変わっていった。社内では、写真のように、シルバー社員と若手社員が心を合わせて楽しく働く姿、談笑する姿が、ところどころで見受けられる。

　社員からは、土日の稼働で、繁忙期の負荷が減った、という声も聞かれた。また、現役社員自身が、定年後も働くことができるということで、安心して働くようになったのだ。さらに、この仕組みに共感する企業が、積極的に同様の取り組みを行うようになった。同じ中津川市に本社があるサラダコスモ、多治見市のコミュニティータクシー、石川県金沢市のオハラなどである。