ヒップをきれいに見せたい女性が増加 「ブラジリアンビキニ」ブームの真相:長浜淳之介のトレンドアンテナ(1/6 ページ)
露出度が高く、ヒップを美しく見せるブラジリアンビキニがブームになっている。縮小を続けた女性の水着市場も底を打ったとみられているが、背景には何があるのだろうか。ブームの仕掛け人に聞いた。
今夏はナイトプールや格安航空(LCC)による海外リゾート旅行の人気によって、水着の売れ行きが好調のようだ。例えば、伊勢丹新宿本店では2018年8月時点で水着の売り上げが前年同期比の2桁増で推移している(参考記事:ナイトプール&インスタ映えで水着が好調)。
特筆すべきは、ライザップをはじめとする ボディーメークのブームを背景に、体を美しく見せる技術に長けた、セクシーなブラジリアンビキニが活況を呈していることだ。ヒップアップにこだわる美尻トレーニング専門ジムの人気上昇もブームを後押ししている。
日本でブラジリアンビキニを展開する専門店は、日本人女性が着やすいようにヒップのカットを緩やかにするなどの改良を施している。脚は長く見えながら、ヒップも隠れるような商品を生み出し、需要を創出している。
また、18年は「さまざまなコンテストで自己表現をしたい人が買い求めるケースが増えた」(ブラジリアンビキニ専門店「フリドメール」の佐藤吉晴社長)とのことで、日本ではニッチだったブラジリアンビキニが、市民権を得つつある。
前年比400%超の売り上げがあった店舗も
商業界オンライン「磯部孝の業界コラム」(18年8月4日付)によれば、日本の水着市場は、バブル期の1991年には950億円に達したが、現在は4分の1以下の約220億円に縮小している。海離れが進んだためとみられるが、17年頃から底を打ち、SNS映えするナイトプールや、ビーチリゾートの人気上昇によって、アパレルメーカーがファッション性の高い水着に続々と参入している。
18年は冬にも水着が売れる傾向が強まり、西武百貨店渋谷店では水着売場「三愛水着楽園」を前年より4カ月も前にオープン。1月26日から2月12日までの水着の売り上げが前年比440%という報告もあった(参考記事:"冬に水着が売れる" 西武渋谷店では400%超の売上伸長も)。10〜20代が卒業旅行で、海外リゾートに行くために買い求めたのだ。ましてや夏の書き入れ時の水着の好調さは推して知るべし。
海外ビーチで開放的になる日本女性
宿泊予約サイトのブッキング・ドットコム・ジャパンによれば、「日本人が普段はチャレンジしないが、旅先でチャレンジしてみる服装」の4位に「露出の多い水着」が入っている。1位「大きめのサングラス」、2位「動きやすい靴」、3位「つばの大きい帽子」、5位「ホットパンツ、丈の短いドレス・スカートなど」、6位「透ける素材の服」などとなっており、普段はおとなしい日本女性も海外ビーチでは思い切り開放的になっている。
今夏は由比ヶ浜、逗子海岸など湘南の海でも、ブラジリアンビキニを着こなす女性が増えた。非日常的な旅先で大胆な水着を着たいがために、ジムに通う女性も増えており、トレーニングの成果を競うコンテスト出場時の勝負水着にブラジリアンビキニを選ぶ人も多い。
関連記事
- 6畳弱の狭い物件に、住みたい人が殺到している理由
6畳弱の狭い物件が人気を集めていることをご存じだろうか。物件名は「QUQURI(ククリ)」。運営をしているピリタスの社長に、その理由を聞いたところ……。 - 「男女混合フロア」のあるカプセルホテルが、稼働率90%の理由
渋谷駅から徒歩5分ほどのところに、ちょっと変わったカプセルホテルが誕生した。その名は「The Millennials Shibuya」。カプセルホテルといえば安全性などを理由に、男女別フロアを設けるところが多いが、ここは違う。あえて「男女混合フロア」を取り入れているのだ。その狙いは……。 - ココイチが急速に“マンガ喫茶化”しているワケ
カレー専門店の圧倒的シェアを誇り、独走を続けるCoCo壱番屋(ココイチ)。近年、そんなココイチが急速に“マンガ喫茶化”しているのをご存じだろうか……。 - 「はなまるうどん」は「吉野家」を超えるかもしれない
「はなまるうどん」の業績が絶好調だ。今回は「丸亀製麺」の787店に次いで、うどん業界第2位につける「はなまるうどん」が2年連続の赤字という苦境を克服して、再び成長軌道に乗った理由を解説する。 - 「ウィルキンソン」がバカ売れしている本当の理由
「ウィルキンソン」が売れている。躍進のきっかけはハイボールブーム。割り材としての需要が増えたことでブランド認知が上がったそうだが、大事な要素が欠けているのではないだろうか。どういうことかというと……。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.