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“終のすみか消滅”時代 「大企業かベンチャー企業か」という質問が愚問である、これだけの理由就職と転職に悩む若者へ(1/5 ページ)

20代の約半数が「転職を考えている」という調査結果が最近発表された。1社を「終のすみか」とする時代が終わりを告げて久しい。東証一部上場企業、海外の企業、外資系企業、ベンチャー企業と転職を重ねる中で、さまざまな職場を経験してきた筆者が贈る「真剣にキャリアを切り開きたい若手」に対するアドバイス。

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 会社員生活を経験してから10年以上がたった。筆者は現在、金融教育に関わる会社を起業して社長を務めるほか、法律事務所の顧問、複数のベンチャー企業のCFO(最高財務責任者)を兼任している。起業に至るまでは、東証一部上場企業、海外の企業、外資系企業、ベンチャー企業と転職を重ねる中で、さまざまな職場を経験してきた。

 それを知ってか、最近は就職活動中の学生や転職を考えている若手のビジネスパーソンなどからも、就職や転職の相談を受けることが多くなってきた。そこで今回は、私の拙い経験からではあるものの、就職や転職を考えている若手ビジネスパーソンの読者に向けて、キャリアを見つめなおす一助になるような話ができればと思う。

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大企業かベンチャー企業か……。就職や転職は選択の連続だ(写真提供:ゲッティイメージズ)

活況を呈す転職市場 何を指針とすべきか

 転職サービス「DODA」によると、20代から60代の働く男女1200人を対象に実施した調査で、「現在、転職を考えているか」という質問に、20代の49.5%が「転職を考えている」と回答したという。

 ここ最近、筆者に寄せられる相談の頻度や件数を考えると、確かにこの調査結果には納得感を覚えるというのが正直な感想だ。例えば、これから就職活動をしようとする学生のほとんどが「大企業かベンチャー企業のどちらに行くべきか?」といった質問をしてくる。また、大企業や中小企業といった企業規模にかかわらず、若手ビジネスパーソンの多くが、焦りを感じているというのが実感だ。自分が現在所属する組織に疑問を持ち、「もっと良い選択肢はないのか?」「キャリアを築く上で最良の経験は何なのか?」といった上昇志向の裏返しのような葛藤が、この調査結果の背景にあると考えられる。

 もちろん相手にもよるが、大企業とベンチャーという二者択一の質問をしてきた人には、基本的には「大企業に行ってみて、ある程度経験を積み、それでもまだベンチャー企業に行きたい気持ちがあるのなら、挑戦してみたらいいのではないか」と回答してきた。なぜなら、本来であれば何をやりたいのか、何を実現したいのかということを重視して選択肢を絞るべきであるにもかかわらず、会社の規模や創業年数といった表層的な部分を最初から気にしてしまっているからだ。本質に目が向けられるようになるまでは、大企業でお金をもらいながら、先輩や上司の下でいろいろな経験をさせてもらう方がいいだろう。

 大企業かベンチャー企業か――。この質問への回答は、これから就職活動をする学生向けのアドバイスではあったのだが、転職を考える若手ビジネスパーソンにも、今後に生かせる考え方だと思われるので、ぜひ参考にしていただきたい。

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