2015年7月27日以前の記事
検索
ニュース

“終のすみか消滅”時代 「大企業かベンチャー企業か」という質問が愚問である、これだけの理由就職と転職に悩む若者へ(2/5 ページ)

20代の約半数が「転職を考えている」という調査結果が最近発表された。1社を「終のすみか」とする時代が終わりを告げて久しい。東証一部上場企業、海外の企業、外資系企業、ベンチャー企業と転職を重ねる中で、さまざまな職場を経験してきた筆者が贈る「真剣にキャリアを切り開きたい若手」に対するアドバイス。

Share
Tweet
LINE
Hatena
-

つい目が行きがちな「大企業の欠点」

 ベンチャー企業側に気持ちが寄っている人に共通するのは、ネット上のベンチャー企業派が挙げる「大企業の欠点」に、過剰に共感している点だ。

 もちろん大企業といっても、企業ごとに違うし、さらにいえば部署によっても違うので一概に断定はできない。だが一般的には、大企業では「内向き」ともいえる論理がはたらいて仕事が進むことも多く、気がめいることも確かに多いのだ。私も経験したことだが、社内会議が無駄に多く、もっといえば「社内会議用の資料を作るだけの日」もあった。また、しょうもない社内政治もあれば、いわゆる「好き嫌い人事」も横行していたのが現実だ。役職も当然、実力順ではなく、年齢や勤務期間が重視されているケースもあった。

 社員数が多いので、一体何をしているのか分からないような人や、明らかに仕事をしていない人もよく見るだろう。良くも悪くも組織がしっかりとしているのが大企業であるため、役職が下であればあるほど権限もなく、できることも限られてくる。場合によっては、泥臭いことだけ下っ端の自分がやらされる一方、手柄だけは上司に持っていかれるようなこともあるだろう。

 私自身は経験がないものの、同僚や後輩が上司に手柄を持っていかれたり、責任だけはとらされたりして、悔しがって涙を流したり、転職して組織を離れたりする光景を何度も目にしてきた。このような調子で、大企業で働くことは非効率で不条理な働き方を迫られることも多いのが実態だ。

photo
ビジネスパーソンの約半数が、現在の会社では理想の働き方ができないと考えている(パーソルキャリアのWebサイトより)

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

ページトップに戻る