上場以来の最高益なのに評価はイマイチ? マクドナルドの事例で学ぶ株価の謎:超初心者のための株講座(4/4 ページ)
2001年に上場して以来の最高益となった日本マクドナルドホールディングスだが、足元の株価は好調とはいえない。知っているようで知らない株価の仕組みを分かりやすく解説する。
その他にもある懸念材料
マクドナルドの株価は、3月下旬から6月中旬にかけて1360円ほど上昇していましたが、その背景には業績期待だけでなく、この頃から株式市場の懸念材料となった米中通商摩擦の影響を受けにくい内需関連株として物色されていた面があります。さらに、マクドナルド株は個人投資家にとって株主優待が人気の銘柄でもあります。株主優待がもらえる権利確定月が6月にあたるため、株価のピークが権利確定直前のタイミングになりやすいことが影響しているとみられます。
そして、割高感が意識される水準まで株価が上昇したことの反動や、夏場の天候不順と立て続けに日本を襲った自然災害が今後の業績に与える影響が不安視されていることも、足元の株価の上値(株価水準の上限付近の値段)を抑える要因になっていると思われます。他にも、以前に販売された商品の広告表示に問題があったとして、消費者庁から措置命令を受ける事例が7月に発生しています。こうしたネガティブな問題が続いてしまうと、せっかく取り戻した信頼やイメージを損ないかねないため、注意が必要です。
業績好調を維持できるか
とはいえ、直近のマクドナルドは、定番の期間限定「月見バーガー」のラインアップを増やしています。また、好調の「夜マック」についても、プラス100円でパティを倍にするキャンペーンに続いて、「ポテナゲ」を導入するなど、継続的にキャンペーンやイベントを打ち出しています。こうした施策が業績の成長に貢献できるかが焦点になりますが、その判断材料として、既存店売上高や客単価、客数など、毎月上旬に公表される月次IRニュースが注目されます。その動向を受けて、期待値の修正が行われるのかが株価を動かすきっかけになりそうです。
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