「もうブロックチェーンやICOに投資しない」 中国仮想通貨業界の大物が突然の宣言:批判の的になっていた
中国のベンチャーキャピタル企業BitFund創設者で“仮想通貨長者”として知られるリ・シャオライ氏は9月30日、今後はブロックチェーンやICO関連のプロジェクトに投資することはないと発表。現地の仮想通貨コミュニティーでは波紋が広がっているという。
中国のベンチャーキャピタル「BitFund」創設者で“仮想通貨長者”として知られるリ・シャオライ氏は9月30日、SNS「微博(Weibo)」上で、「今後はブロックチェーンやICO(Initial Coin Offering、仮想通貨の新規公開)関連のプロジェクトに投資することはない」と発表した。
中国の仮想通貨コミュニティーで大きな影響力を持つ同氏の突然の発表により、現地では波紋が広がっているという。
シャオライ氏は「今日以降、私がブロックチェーン関連のプロジェクトなどに投資することは一切ない」と断言。「もし今後“リ・シャオライが関わっている”とうたっているプロジェクトが出てきても、それは(うそなので)無視してほしい」と呼び掛けた。
同氏は今後、数年をかけてキャリアチェンジを図る計画だとみられている。一方、シャオライ氏が個人としての投資活動を休止するだけで、企業や投資ファンドを介して仮想通貨関連の事業に関わっていく可能性は残されているとの見方もある。
批判の的になっていたことが原因か
シャオライ氏は今回の決断に至った理由を公表していないが、technodeは、同氏の投資活動が批判の的になっていたことが一因ではないかと報じている。
例えば、同氏が著名な仮想通貨取引所などを非難したり、著名人を巻き込んで大々的に宣伝することで新規参入者を集める集客方法などを語る音声データが流出する出来事があったという。
また、同氏が「自身が運営するファンドのため」と称して個人的に3万ビットコインを所持していることについて、中国の一部ベンチャーキャピタリストからは「(用途が明確でないビットコインを所有しているため)シャオライ氏は中国の仮想通貨業界の“腫瘍”だ」と批判する声があったとしている。
その他には、「違法な仮想通貨関連のプロジェクトを合法に見せかけるため、シャオライ氏などの著名人の名前が使われている」などと国営放送のCCTVが取り上げていた。
この報道が出た際、シャオライ氏は「99.99%のケースにおいて、私の知らない所で勝手に名前が使われている」と強く否定していた。
関連記事
- 中国の北京市で仮想通貨・ブロックチェーン関連のイベント規制を強化
中国政府が北京市朝陽区での仮想通貨とブロックチェーン(分散型取引台帳)関連の全ての商用的なイベントを禁止すると発表した。同地区の仮想通貨関連企業のオフィスなども厳しく制限される。 - フィリピン政府、仮想通貨の規制強化へ 取引所やICOなど対象か
フィリピン証券取引委員会(SEC)が、仮想通貨に対する新たな取引規制を設けるようだ。来週末(9月16日)までに発表する予定という。取引やICOが対象となる。 - 「ビットコイン価格は間もなく上昇する」米著名投資家が大胆予測
米仮想通貨投資会社Galaxy Digitalの創設者で、自身も著名投資家であるマイク・ノボグラッツ氏は9月26日にCNNMoneyに出演。ビットコイン価格は間もなく上昇基調に転じるとの見解を示した。 - ユーロとビットコインを同じ口座で管理 ドイツの金融ベンチャーが11月開始
ブロックチェーンによるバンキングサービスを提供するドイツのフィンテック企業Bitwalaが、ユーロ建預金とビットコインを同じ口座で管理できるプラットフォームを展開する。11月からスタート予定。 - “ビットコイン長者”が仮想通貨初心者に指南 「5年間は持っておけ」
「ボラティリティの高さに惑わされることなく、5年間は仮想通貨を保有するべきだ」――。米仮想通貨取引所BitInstantの創設者で、数百万ドル相当のビットコインを持つとうわさされるチャーリー・シュリム氏は、8月に米国内で行われた講演会で、仮想通貨投資初心者に向けてこんなアドバイスをした。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.