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吉野家HD、2Qは営業利益97%減で赤字 コスト増と既存店の不調響く:他社との共同販促などで挽回へ
吉野家HDの2018年3〜8月期の連結決算は大幅減益。純損益は8億5000万円の赤字だった。コスト増と既存店の不調が影響した。
吉野家ホールディングス(HD)が10月5日に発表した2018年3〜8月期の連結決算は、売上高が前年同期比2.7%増の1003億3900万円、営業利益が97.4%減の5500万円、純損益は8億5000万円の赤字(前年同期は12億9000万円の黒字)だった。
主力事業の吉野家で既存店売上高が堅調に推移したため増収となったものの、他事業で既存店売上高が不調だった点や、各事業ともに肉・米などの食材価格や人件費などのコストが増加した点などが響いて大幅減益となった。店舗の撤退などによる減損損失5億1100万円を計上したことも響いた。
事業別の減益要因は、吉野家は原材料価格の高騰と人件費の増加、はなまるうどんは既存店売上高の不調と物流コストの増加。ファミレス事業のアークミールでは競争激化による既存店売上高の不調と店舗数の減少、すし事業の京樽では原材料価格の高騰と店舗改装に伴う一時費用の増加があった。
海外事業でも、原材料価格の高騰と出店・改装に伴う減価償却費の増加が起きていたという。
吉野家HDは今後、業績改善に向けて(1)他社との共同販促、(2)季節性の高い商品の投入、(3)原材料の品目数の適正化、(4)吉野家全店でのPOSレジ交換と自動釣銭機の導入――などの施策を打っていく方針だ。
19年2月期通期の連結業績予想は、売上高が2050億円(3.3%増)、営業利益が11億円(72.6%減)、最終損益が11億円の赤字(前年同期は14億9100万円の黒字)のまま据え置く。
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