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吉野家HDが年初来安値 原材料費・人件費増で1Qが5年ぶり赤字に:通期予想は据え置き
7月9日の東京株式市場で吉野家HD(東証1部)が急落し、年初来安値を更新。6日に発表した2018年3〜5月期の連結決算で、同期としては5年ぶりとなる赤字に転落した影響。
7月9日の東京株式市場で、牛丼チェーン「吉野家」やうどんチェーン「はなまるうどん」などを運営する吉野家ホールディングス(HD、東証1部)が急落。午後2時53分に前営業日比301円安(−14.3%)の1805円まで下げ、年初来安値を更新した。
6日の取引終了後に発表した2018年3〜5月期の連結決算で、同期としては5年ぶりとなる赤字に転落したことが嫌気された。
原材料費・人件費が上昇
吉野家HDの18年3〜5月期は、売上高は497億9400万円と前年同期比2.7%増だったものの、営業損益は1億7800万円の赤字(前年同期は7億4800万円の黒字)、純損益は3億8800万円の赤字(同じく4億1900万円の黒字)だった。
赤字に転落した要因は「肉・米を中心とした食材価格、労働力を確保するための採用・教育コスト、アルバイト・パート時給などが上昇したため」という。
今後は「付加価値の高い商品や季節商品の投入を積極的に行うことで集客を図る。また、従業員の働きやすい環境を提供し、充足率・定着率を向上させ、適切な労働時間での運営を行うことで生産性を高め、収益性を回復していく」としている。
19年2月期通期(18年3月〜19年2月)の見通しは、売上高が2110億円(6.3%増)、営業利益が41億円(2.0%増)、最終利益が17億円(14.0%増)と黒字予想のまま据え置く。
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