「吉野家」「はなまるうどん」まとめて出前 家族客の獲得目指す:「出前館」運営元が協力
「吉野家」「はなまるうどん」の商品をまとめて宅配するサービスの実証実験が始まった。夢の街創造委員会が運営するWebサイト「出前館」で商品を注文すると、配達員が両社の店舗を回ってから宅配する。家族客を獲得する狙い。
吉野家ホールディングス(HD)は5月8日、傘下の外食チェーン「吉野家」「はなまるうどん」の商品をまとめて宅配する「まとめてデリバリー」の実証実験を始めた。夢の街創造委員会(大阪市)が運営するWebサイト「出前館」で商品を注文すると配達員に通知が届き、両チェーンの商品を受け取ってから宅配する仕組み。子育てなどで多忙かつ多様なニーズがある家族客を獲得する狙いだ。
実施エリアは東京都中央区八丁堀。同エリアには吉野家の「新大橋通り八丁堀店」、はなまるうどんの「八丁堀店」が位置する。通知を受けたドライバーは、配達予定時刻の25分前に吉野家、20分前にはなまるうどんの店舗に立ち寄って商品を受け取る。
注文できるメニューは、はなまるうどんの「ぶっかけ(温)」「牛肉うどん」、吉野家の「牛丼」「新味豚丼」――など27商品。「コロッケ」「とり天」などのサイドメニューも含まれる。
決済方法は、クレジットカードと「Amazon Pay」「Apple Pay」の3種類で、事前決済のみ可能。決済方法をキャッシュレスに限定することで配達の効率化を図るとしている。「Tポイント」の付与と利用にも対応する。注文の受け付け時間は午前11時〜午後9時。最低利用条件は税込1500円以上。送料は300円。
夢の街創造委員会は、実証実験を通じて「出前館」のリピート率向上や注文数の増加を目指す。実験で得た成果は、飲食店の業務効率化に向けた仕組み作りに生かしていくという。
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