レクサス、新型「ES」日本初投入 先端技術と快適性でセダンの潜在需要開拓へ:事前受注は2200台(1/2 ページ)
トヨタ自動車はレクサスの新型「ES」を発売。日本初投入となるが、すでに2200台を受注。世界初搭載の先進技術や快適性向上を目指した装備によって、日本市場の需要を取り込む。
トヨタ自動車は10月24日、高級車ブランド「レクサス」から新型「ES」を発売した。7代目モデルとなるが、日本で販売するのは初めて。すでに2200台を受注している。左右のサイドミラーを小型カメラに置き換えた「デジタルアウターミラー」など、先進技術を盛り込み、快適性を高めた。ブランドの主力モデルを投入し、日本市場の需要を取り込む。
月販計画の6倍をすでに受注
ESは1989年に初代モデルを発売。フラッグシップセダン「LS」とともに、ブランド最初のモデルの一つだった。北米や中国を中心に、累計220万台以上を販売している。
24日に開いた発表会で、レクサスインターナショナル プレジデントの澤良宏氏は新型ESについて、「デザイン、走り、乗り心地、質感など、妥協なくつくり込んだ」と紹介。レクサスブランドの2018年1〜9月のグローバル販売台数は50万8000台となり、1〜9月として過去最高を更新していることから、日本初投入のESにも期待を示した。
日本でもスポーツタイプ多目的車(SUV)などの人気が高まり、セダン市場が縮小傾向にある。厳しい環境での発売となるが、チーフエンジニアの榊原康裕氏は「(ESは)グローバルカ―としてポテンシャルがある。(主要市場の)米国と中国以外でも十分に戦っていける」と強調。「今回、プラットフォームとパワートレーンを一新して魅力を高めた。日本にも自信を持って投入していけると確信している」と説明した。
その言葉通り、すでに日本市場での反響は大きい。24日時点の受注台数2200台は、月販計画の6倍に当たる。そのうち7割が既存のレクサスオーナーだという。
デジタルミラーは自動で明るさを調整
反響が大きい理由の一つが、発売前に世界初採用されることが発表されていたデジタルアウターミラー。最上級グレード「version L」にオプション設定できる。従来のサイドミラーの場所に設置された小型カメラで車両の左右後方の映像を撮影し、それをフロントピラー部分に設置されたディスプレイに表示する。ドライバーの目線移動が小さくなるほか、従来のミラーよりも視界が広くなるという。悪天候や夜間の運転でも、自動で明るさを調整する。
まずは日本向けモデルへの導入となるが、他の地域でも「法規の動向やお客さまのニーズを踏まえて検討していく」という。
日本で販売されているレクサスのセダンとしては「GS」もあるが、榊原氏は「GSは長距離のダイナミックな走り、ESは質感や快適性にこだわっている。お客さまや利用シーンが違う。ESは(レクサスブランドの)新しいお客さまも含めて需要を想定している」と説明した。
実際に、新型ESには室内空間の広さや快適性の向上を目指した装備を搭載している。開発では、人の「疲れ」のメカニズムを分析。目の動きが大きいほど疲れを感じることから、ディスプレイやスイッチ類を操作するときに、姿勢変化や視線移動が少なくなるレイアウトを採用した。また、走行時の振動による目の動きにも着目し、振動が微小であっても、それを抑制する力を発生させる装備も採用。高速走行時などの乗り心地を向上させた。
ESとしては初めてスポーツグレード「F SPORT」も設定。希望小売価格は通常グレードが580万円、「F SPORT」が629万円、最上級グレード「version L」が698万円(いずれも税込)。
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