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モスが最終赤字転落へ 売り上げ減、食中毒事故が追い打ち:FC店に補償も
モスフードサービスが通期業績予想を下方修正。純損益が8億円の赤字に転落する見込み。食中毒が起き、客足が遠のいたフランチャイズ店に9億6100万円の営業補償を実施し、引当金を特別損失として計上するため。
ハンバーガーチェーン「モスバーガー」を運営するモスフードサービスは10月29日、2019年3月期通期の連結業績予想を下方修正し、純損益が従来予想から33億円減り、8億円の赤字(前年同期は24億7000万円の黒字)に転落する見込みだと発表した。
売上高は60億円減の660億円(前年同期は713億8700万円)、営業利益は34億円減の4億円(前年同期は37億3600万円)と、それぞれ大幅に下方修正する。
既存店売上高が前年同期を下回る中、自然災害に加え、8月に起きた食中毒事故が打撃に。客足が遠のいたフランチャイズ店に対し営業補償を実施するため、4〜9月期に計9億6100万円を特別損失として計上する。
通期でも、従業員向け衛生教育の強化やプロモーション費用の増加でコストがかさむ上、売上の回復に向けた抜本的な対策の実施に向け、コストの増加を見込む。
18年4〜9月の連結業績予想も下方修正し、売上高は30億円減の330億円(前年同期は359億2600万円)、営業利益は14億5000万円減の9億円(前年同期は23億2400万円)、純損益は16億8000万円減の1億2000万円の赤字(前年同期は15億5400万円の黒字)を見込む。
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